EXERCISE 90分

ストーリー

田中VPoE
いよいよ集大成だ。Month 9で学んだすべてを統合し、フューチャーフーズ社の「DX文化変革計画書」を完成させてもらう
あなた
Step 1からStep 5まで、各ステップで個別の計画を作ってきましたが、それを全部統合するのですか?
田中VPoE
その通りだ。ビジョン浸透、人材育成、アジャイル・リーン、顧客中心、推進体制 — 5つのテーマを一貫した計画にまとめ上げる。これが君が経営層に提出する「DX文化変革計画書」だ
あなた
かなりの大作になりそうですね
田中VPoE
計画書の目的は「網羅的であること」ではなく「実行可能であること」だ。経営層が30分で読んで判断できるように、要点を絞り、優先順位を明確にしてくれ。実行フェーズの詳細は付録に回していい

ミッション概要

項目内容
演習タイトルDX文化変革計画書の策定
想定時間90分
成果物エグゼクティブサマリー + 5テーマ統合計画 + 3年ロードマップ + 投資計画 + リスク管理
対象組織フューチャーフーズ株式会社

前提条件

これまでのStep 1-5で得た以下の情報をすべて活用してください。

フューチャーフーズ株式会社:
  ├── 社員数: 1,200名
  ├── 売上: 500億円(5年横ばい)
  ├── DX現状: 情報システム部3名兼務
  ├── 経営層: DX投資に前向きだが段階的を希望
  ├── 社員意識: 「DXは情シスの仕事」が4.2/5.0
  ├── BtoB NPS: -15(業界平均+10)
  ├── 製造部門のデジタルスキル: 最低(平均1.5/5.0)
  ├── 初年度予算上限: 1億円(DX投資)+ 5,000万円(人件費)
  └── 社長の意思: 3年で「デジタルで食の未来を創る企業」に変革

Mission 1: エグゼクティブサマリー

要件

経営層が30分で判断できる、以下の要素を含む計画書のエグゼクティブサマリー(A4 2ページ分)を作成してください。

  1. 現状認識(なぜ今DX文化変革が必要か)
  2. ビジョン(3年後のありたい姿)
  3. 5つの変革テーマ(各テーマの概要と相互関係)
  4. 投資計画(3年間の概算)
  5. 期待成果(定量的なKPI)
解答例

エグゼクティブサマリー

1. 現状認識

当社は売上500億円が5年間横ばいの状態にあります。BtoB顧客のNPSは-15(業界平均+10)、取引先の60%がデジタル発注を希望する中でFAX対応のみ。社員の82%が「DXは情報システム部の仕事」と認識しています。このままでは3年以内に主要取引先の30%を競合に奪われるリスクがあります。

2. ビジョン

「食の未来を、全員でデジタルに創る — 1,200人のデジタルイノベーター」

3年後の姿: 全社員がデジタルツールを活用し、顧客の声をデータで捉え、迅速に価値を届ける組織。BtoB NPS: +20、デジタル売上比率: 30%、業務自動化率: 40%を達成。

3. 5つの変革テーマ

テーマ概要投資比率
ビジョン浸透全社員にDXビジョンを腹落ちさせ、デジタルマインドセットを醸成10%
人材育成3層スキル体系と市民開発者100名の育成20%
アジャイル・リーン全部門で実験文化を定着、部門横断チームの常態化15%
顧客中心NPS改善、デザイン思考・データドリブン経営の実現30%
推進体制DX推進室設立、ガバナンスモデル、KPI体系の構築25%

4. 投資計画(3年間)

年度DX投資人件費合計累計
Year 11億円5,000万円1.5億円1.5億円
Year 22億円7,000万円2.7億円4.2億円
Year 33億円8,000万円3.8億円8.0億円

5. 期待成果

KPI現状Year 1Year 2Year 3
BtoB NPS-15-5+10+20
デジタル売上比率3%10%20%30%
業務自動化率0%15%30%40%
DXマインドセットスコア1.92.53.03.5
DX投資ROI80%150%200%

Mission 2: 3年ロードマップの統合

要件

5つのテーマを統合した3年ロードマップを作成してください。

  1. 年度別フェーズ定義(Year 1: 基盤構築、Year 2: 展開拡大、Year 3: 自走定着)
  2. テーマ間の依存関係と実行順序
  3. 四半期ごとのマイルストーン(Year 1のみ詳細)
解答例

テーマ間の依存関係

推進体制の確立(最優先: 他の全テーマの基盤)

  ├─→ ビジョン浸透(Year 1 Q1-Q2が最重要)
  │     │
  │     ├─→ 人材育成(ビジョン共有後に開始)
  │     │     │
  │     │     └─→ アジャイル・リーン(人材が揃って実践)
  │     │           │
  │     │           └─→ 顧客中心(手法を学んだ後に顧客に適用)
  │     │
  │     └─→ 顧客中心(ビジョンが浸透した上でCX改善)

  └─→ 人材育成(推進室メンバーの育成が最初)

Year 1 四半期マイルストーン

四半期推進体制ビジョン浸透人材育成アジャイル・リーン顧客中心
Q1CDO任命、DX推進室設立全社タウンホール実施基礎研修開発NPS調査実施
Q2ガバナンスモデル策定部門別ワークショップ全社基礎研修開始アジャイル研修顧客ジャーニー策定
Q3初年度PJ承認DXアンバサダー任命市民開発候補選抜パイロット2チームWeb受発注PJ開始
Q4半期レビュー、Year 2計画浸透度サーベイ実施市民開発30名認定パイロット成果発表Web受発注パイロット

Mission 3: リスク管理と成功の条件

要件

  1. トップ5リスクと対策
  2. 変革の成功条件(必要条件3つ、十分条件3つ)
  3. 撤退基準(どの時点で計画を見直すか)
解答例

トップ5リスク

リスク影響度発生確率対策
経営層のコミットメント低下極高四半期ごとの成果報告、早期のクイックウィン創出
DX人材の採用困難社内育成の優先、外部パートナーの活用
現場の変革疲れ段階的導入、過度な負荷の回避、小さな成功の祝福
既存システムとの統合困難API優先、段階的移行、技術負債の計画的解消
ROIの可視化遅延先行指標の定期報告、クイックウィンプロジェクトの優先

変革の成功条件

必要条件(これがないと失敗する)

条件内容
経営トップのコミットメント社長・CDOが定期的にDXメッセージを発信し、自ら行動で示す
専任リソースの確保DX推進室メンバーの最低50%が専任(兼務では機能しない)
予算の継続確保初年度の成果に基づき、Year 2-3の予算を確保する

十分条件(あると加速する)

条件内容
早期のクイックウィン3ヶ月以内に目に見える成果を1つ以上出す
社内チャンピオンの存在各部門にDXを率先するリーダーがいる
外部パートナーの活用DX先行企業や専門コンサルタントの知見を取り込む

撤退・見直し基準

時点判断基準アクション
6ヶ月基礎研修受講率50%未満、DX推進室の採用が0名計画の大幅見直し
12ヶ月パイロットプロジェクトが1件も成功しない推進体制の再構築を検討
18ヶ月KPIが初年度目標の50%未満DX戦略そのものの再定義

達成度チェック

観点達成基準
エグゼクティブサマリー30分で読めて判断できる簡潔さと説得力がある
テーマ統合5テーマが独立ではなく、相互に連携した計画になっている
ロードマップ依存関係を考慮した現実的な実行順序になっている
投資計画段階的で、各年度のROIが説明できる
リスク管理現実的なリスクが特定され、具体的な対策がある
撤退基準失敗した場合の判断基準が明確に設定されている

推定所要時間: 90分