EXERCISE 60分

ストーリー

田中VPoE
持続可能性、メトリクス、スケーリング — 改善活動を「インフラ化」するための3つの柱を学んだ。ここからはネクストシステム社を対象に、持続可能な改善体制の全体設計をしてもらう
あなた
Step 1-4で作ってきた制度を「消えない仕組み」にするのが今回の課題ですね
田中VPoE
その通りだ。ここまでに設計した改善提案制度、イノベーションタイム、表彰制度、ブレイムレス文化、ポストモーテム制度 — これらが3年後も5年後も回り続ける体制を作る。君がいなくなっても、経営層が変わっても、新しいメンバーが入っても、改善が止まらない仕組みだ

ミッション概要

項目内容
演習タイトル持続可能な改善体制設計書
想定時間60分
成果物持続可能な改善体制設計書(ガバナンス + メトリクス + スケーリング計画)
対象組織ネクストシステム株式会社(Step 1から継続)

前提条件

改善活動の進捗(想定: 導入6ヶ月後)

項目状態
改善提案数月40件(導入前: 月2件)
提案実行率35%
イノベーションタイム利用率65%(一部チームで低い)
ポストモーテム実施率P0/P1は100%、P2は60%
心理的安全性スコア2.8/5.0(導入前: 2.3)
「失敗しても安全」スコア2.5/5.0(導入前: 1.8)
離職率13%(導入前: 15%)
改善チャンピオン8チームに配置済み

課題

課題詳細
活動の偏り20チーム中8チームが活発、5チームが低調、7チームが中程度
推進委員の疲弊初期メンバー3名が「負荷が高い」と報告
経営層の質問「改善活動のROIを数字で見せてほしい」
新入社員半年間で40名入社、改善文化のオンボーディングが未整備
来年度予算「成果次第で予算を増やす」と経営層が表明

Mission 1: ガバナンスと持続性の設計

要件

  1. 3層ガバナンスモデルの詳細設計(経営層、推進委員会、チーム)
  2. 推進委員会の持続可能な運営方法(疲弊を防ぐ設計)
  3. オンボーディングプログラム(新メンバーへの改善文化伝達)
解答例

3層ガバナンスモデル

構成頻度責任範囲
経営層VPoE + CTO + 事業部長2名四半期戦略方針、予算配分、ROI評価
改善推進委員会各部門1名 x 5名(輪番制)月次提案レビュー、施策承認、メトリクス管理
チームチャンピオン20名 + 全メンバー週次改善提案、レトロ、イノベーションタイム

推進委員会の疲弊防止策

施策内容
輪番制導入6ヶ月任期、3ヶ月ずらしで半数入替
業務時間の確保推進委員活動を業務の10%(週4時間)として公式認定
ツール自動化提案集計、レポート生成、アクション追跡を自動化
サブ委員制度各委員にサブ委員1名を配置し、負荷分散と後継育成
経験の蓄積委員の活動手順書を整備、引き継ぎの負荷を軽減

オンボーディングプログラム

日程アクティビティ所要時間
入社1日目改善文化紹介動画の視聴30分
入社3日目主要ポストモーテム3件の読解60分
入社1週目メンターとの改善文化Q&A30分
入社2週目Failure Fridayに初参加30分
入社1ヶ月目初回改善提案の提出(テーマ: オンボーディング改善)60分
入社3ヶ月目改善活動の振り返り(1on1)30分

Mission 2: メトリクスダッシュボードの設計

要件

  1. 経営層向けROIレポートの設計
  2. 改善活動ヘルスチェック指標の定義
  3. 早期警戒の仕組み(活動が低下しそうなとき自動的に検知)
解答例

経営層向けROIレポート

セクション内容データソース
投資額イノベーションタイム人件費 + 表彰予算 + ツール費経理データ + 勤怠データ
効果額改善による時間削減 x 単価 + コスト削減改善効果レポート
ROI効果額 / 投資額自動算出
文化スコア推移心理的安全性、エンゲージメント四半期サーベイ
離職率推移四半期ごとの離職率HR データ

ROI試算例:

  • 投資: イノベーションタイム(週4h x 500名 x 52週 x 5,000円)= 5.2億円
  • 表彰+ツール: 500万円
  • 投資合計: 約5.7億円
  • 効果: 改善による生産性向上15%(500名 x 2,000h/年 x 5,000円 x 15%)= 7.5億円
  • ROI: 7.5億円 / 5.7億円 = 約1.3倍

ヘルスチェック指標

指標健全注意危険
月間提案数40件以上20-39件20件未満
提案者の多様性(部門数)15部門以上10-14部門10部門未満
新規提案者数(月間)5名以上2-4名0-1名
イノベーションタイム利用率70%以上50-69%50%未満
アクションアイテム完了率85%以上70-84%70%未満
チャンピオン活動率90%以上70-89%70%未満

早期警戒の仕組み

トリガーアラート先対応アクション
提案数が前月比30%減改善推進委員長低調チームのヒアリング実施
特定チームの提案ゼロが2ヶ月続くチャンピオンチームマネージャーとの1on1
イノベーションタイム利用率50%未満改善推進委員チームの阻害要因を調査
アクション完了率70%未満VPoE推進委員会で原因分析と対策

Mission 3: スケーリング計画

要件

  1. 低調な5チームの活性化計画
  2. 改善チャンピオンネットワークの拡大計画(8チーム → 20チーム)
  3. 来年度の予算増額提案の骨子
解答例

低調チームの活性化計画

ステップアクション期間
1. 原因の調査低調5チームのマネージャーとチャンピオンにヒアリング2週間
2. 阻害要因の特定「業務多忙」「マネージャーの理解不足」「スキル不足」等を分類1週間
3. 個別対策の実施チームごとの阻害要因に応じた支援1-3ヶ月
4. メンタリング活発なチームからメンターを1名ずつ配置3ヶ月
5. 成果の確認3ヶ月後に提案数・利用率を再評価3ヶ月後

チャンピオンネットワーク拡大計画

フェーズ期間アクション
準備1ヶ月目残り12チームから候補者を募集・推薦
研修2ヶ月目既存チャンピオンが新チャンピオンを研修(ペア制)
立ち上げ3ヶ月目新チャンピオンが自チームで改善活動を開始
自走4ヶ月目以降月次チャンピオンミーティングで20名が連携

来年度予算増額提案の骨子

項目今年度来年度提案根拠
表彰関連200万円350万円全社展開に伴う表彰機会の増加
ツール費100万円200万円ダッシュボードツール、自動化ツール
研修費100万円250万円チャンピオン研修、管理職フォローアップ
外部ベンチマーク0円100万円他社の改善文化ベンチマーク訪問
予備費100万円100万円緊急施策用
合計500万円1,000万円ROI 1.3倍の実績に基づく増額

達成度チェック

観点達成基準
ガバナンス3層モデルが具体的に設計されている
疲弊防止推進委員の負荷を軽減する仕組みがある
オンボーディング新メンバーへの文化伝達が設計されている
メトリクス経営層向けROIレポートが設計されている
早期警戒活動低下を自動的に検知する仕組みがある
スケーリング低調チームの活性化計画が具体的
予算提案データに基づいた予算増額の論理がある

推定所要時間: 60分