ストーリー
ミッション概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 演習タイトル | 改善提案制度の全体設計 |
| 想定時間 | 90分 |
| 成果物 | 改善提案制度設計書(提案制度 + イノベーションタイム + 表彰制度 + 導入計画) |
| 対象組織 | ネクストシステム株式会社(Step 1から継続) |
前提条件
Step 2までの進捗(想定)
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| 心理的安全性向上プラン | 策定済み、パイロットチーム3チームで1on1開始 |
| 管理職ワークショップ | 実施済み、30名中25名参加 |
| 経営層の関心 | 「改善しないコスト」のデータを見て関心を示している |
| パイロットチームの成果 | 週次レトロスペクティブで改善提案が月3件に増加 |
追加制約条件
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| 予算 | 年間500万円(表彰関連、ツール導入含む) |
| IT環境 | Slack、Jira、Confluenceを使用中 |
| 既存の評価サイクル | 半年ごと(4月・10月) |
| 次の評価改定タイミング | 8ヶ月後 |
| 経営会議 | 月1回、事前にアジェンダ提出が必要 |
Mission 1: 改善提案制度の設計
要件
以下を含む「改善提案制度」を設計してください。
- 提案フロー(提出 → 審査 → 実行 → 振り返りの全プロセス)
- 提案テンプレート(記入項目の定義)
- 審査基準とプロセス(誰が、何を基準に、どう判断するか)
- フィードバックの仕組み(提案者への必ずフィードバックする仕組み)
解答例
提案フロー
提出(Slackフォーム) → 自動チケット化(Jira)
→ 週次レビュー(改善推進委員会、3名)
→ 3日以内に初回フィードバック
→ 実行承認 or 保留 or 却下(理由付き)
→ 実行(担当チーム + イノベーションタイム活用)
→ 効果測定(1ヶ月後)
→ 振り返り・全社共有
提案テンプレート
| 項目 | 記入内容 | 必須/任意 |
|---|---|---|
| タイトル | 改善内容を一言で | 必須 |
| 現状の課題 | 何が問題か、どんな影響があるか | 必須 |
| 改善案 | 具体的に何をするか | 必須 |
| 期待効果 | 定量的な改善見込み | 必須 |
| 必要リソース | 時間、予算、人員 | 任意 |
| 影響範囲 | 自チーム/部門/全社 | 必須 |
| 優先度(自己評価) | 高/中/低 | 任意 |
審査基準
| 基準 | 配点 | 評価ポイント |
|---|---|---|
| 効果の大きさ | 30点 | 時間削減、品質向上、コスト削減の見込み |
| 実現可能性 | 25点 | 技術的・組織的な実現難易度 |
| 影響範囲 | 20点 | 自チームか、全社に波及するか |
| 実行スピード | 15点 | どれくらい早く成果が出るか |
| 学びの大きさ | 10点 | 成功しても失敗しても学びがあるか |
フィードバックの仕組み
| タイミング | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 提出直後 | 受領確認(自動通知) | システム |
| 3日以内 | 初回フィードバック(質問・補足依頼) | 改善推進委員 |
| 1週間以内 | 審査結果と理由の通知 | 改善推進委員長 |
| 実行中 | 月次の進捗確認 | 担当メンター |
| 完了後 | 効果測定レポートと感謝メッセージ | VPoE |
Mission 2: イノベーションタイムと表彰制度の設計
要件
- イノベーションタイム制度(形態、ルール、運営方法)
- 表彰制度(日常認知 + 定期表彰)
- 評価制度との連動計画(次の評価改定に向けた準備)
解答例
イノベーションタイム制度
| 項目 | 設計内容 |
|---|---|
| 形態 | ハイブリッド型(継続型 + 集中型) |
| 継続型 | 毎週金曜午後(4時間、業務時間の10%) |
| 集中型 | 四半期に1回のハックデイ(1日間) |
| テーマ制約 | 初年度は「業務改善」に関連するテーマに限定 |
| 成果共有 | 月次デモデイで任意発表 |
| 参加形態 | 個人またはチーム(チーム横断も可) |
表彰制度
| 分類 | 仕組み | 頻度 | 予算 |
|---|---|---|---|
| 日常認知 | Slackの#improvement-kudosチャンネル | 毎日 | 0円 |
| 日常認知 | スプリントレビューでの改善貢献者紹介 | 隔週 | 0円 |
| 定期表彰 | 月間改善ベストプラクティス賞(3件) | 月次 | 3万円/月 |
| 定期表彰 | 四半期改善大賞(個人1名 + チーム1組) | 四半期 | 20万円/四半期 |
| 定期表彰 | ベストフェイル賞(最も学びのあった失敗) | 四半期 | 5万円/四半期 |
| 年間表彰 | 年間改善MVP | 年次 | カンファレンス参加権(30万円) |
年間予算合計: 約200万円(予算500万円のうち)
評価制度連動計画
| 時期 | アクション | 目的 |
|---|---|---|
| 即時 | 改善活動を「任意の加点項目」として人事に申請 | 制度改定前の暫定措置 |
| 3ヶ月後 | 改善活動の効果データを人事部に提出 | 改定の根拠作り |
| 6ヶ月後 | 評価制度改定の正式提案 | 改善活動を配点15%に |
| 8ヶ月後 | 新評価制度での運用開始 | 制度的な裏付けの完成 |
Mission 3: 導入計画の策定
要件
- 6ヶ月の段階的導入ロードマップ
- 経営層への提案資料の骨子(3枚構成)
- 想定される抵抗と対策
- 成功指標(KPI)の定義
解答例
6ヶ月ロードマップ
| 月 | フェーズ | 主なアクション | 成功指標 |
|---|---|---|---|
| 1 | 準備 | 経営層プレゼン、ツール整備、ルール策定 | 経営層の承認獲得 |
| 2 | パイロット | 3チームで提案制度とイノベーションタイム開始 | 提案10件以上 |
| 3 | 拡大 | 10チームに展開、初回ハックデイ実施 | 提案30件以上、ハックデイ参加率50% |
| 4 | 全社展開 | 全20チームで運用開始、表彰制度開始 | 提案50件以上、実行率30% |
| 5 | 定着 | 初回四半期表彰、効果測定レポート | 改善による時間削減月100時間 |
| 6 | 最適化 | 制度のフィードバック収集、改善 | 満足度3.5/5.0以上 |
経営層提案資料の骨子
スライド1: 現状の課題(Why)
- 改善しないコスト: 非効率会議で年間1億円、離職で年間5,000万円
- 競合他社との比較: A社は改善提案月200件、当社は月2件
スライド2: 提案内容(What)
- 3本柱: 改善提案制度、イノベーションタイム(週4h)、表彰制度
- 年間予算: 500万円(ROI推定: 投資の5倍以上)
スライド3: 実行計画(How)
- 6ヶ月の段階的導入、パイロット → 全社展開
- KPI: 提案数月50件、実行率30%、離職率12%以下
想定される抵抗と対策
| 抵抗 | 想定される発言 | 対策 |
|---|---|---|
| 経営層 | 「業績に直結するのか?」 | 定量データで投資対効果を示す |
| 中間管理職 | 「部下の稼働が減る」 | 改善による効率化の効果を先に示す |
| 現場メンバー | 「また形だけの制度でしょ」 | パイロットで実績を作ってから展開 |
| 人事部 | 「評価制度は簡単に変えられない」 | 暫定的な加点制度から始める |
KPI
| 分類 | 指標 | 目標値 | 測定頻度 |
|---|---|---|---|
| 先行指標 | 改善提案数 | 月50件 | 月次 |
| 先行指標 | イノベーションタイム利用率 | 80% | 月次 |
| 先行指標 | 表彰候補ノミネート数 | 四半期20件以上 | 四半期 |
| 遅行指標 | 提案の実行率 | 30% | 月次 |
| 遅行指標 | 改善による時間削減 | 月200時間 | 月次 |
| 遅行指標 | 制度満足度 | 3.5/5.0 | 四半期 |
| 遅行指標 | 離職率 | 12%以下 | 四半期 |
達成度チェック
| 観点 | 達成基準 |
|---|---|
| 提案フロー | 提出から振り返りまでの全プロセスが設計されている |
| 審査基準 | 透明性のある審査基準が定義されている |
| フィードバック | 提案者への迅速なフィードバックが保証されている |
| イノベーションタイム | 形態とルールが具体的に設計されている |
| 表彰制度 | 日常認知と定期表彰が予算内で設計されている |
| 導入計画 | 段階的な導入ロードマップが策定されている |
| 抵抗への対策 | 想定される抵抗と具体的な対策が用意されている |
| KPI | 先行指標と遅行指標の両方が定義されている |
推定所要時間: 90分