EXERCISE 90分

ストーリー

田中VPoE
カイゼンフレームワーク、提案制度、イノベーションタイム、表彰制度 — 4つの要素を学んだ。ここからが本番だ。これらを統合した「改善提案制度」の全体設計をしてもらう
あなた
ネクストシステム社を対象にした実践演習ですね
田中VPoE
そうだ。ただし、今回は制度設計だけでなく「導入計画」まで含めてほしい。経営層の承認を得て、実際に導入するところまでをシミュレーションするんだ。制度を作っても導入されなければ意味がない
あなた
制度の中身と、それをどう組織に浸透させるかの両方を考えるということですね
田中VPoE
その通りだ。世の中には「素晴らしい制度」が作られたのに導入に失敗した例が山ほどある。「制度の設計」と「導入の設計」は別のスキルだ。両方を鍛えよう

ミッション概要

項目内容
演習タイトル改善提案制度の全体設計
想定時間90分
成果物改善提案制度設計書(提案制度 + イノベーションタイム + 表彰制度 + 導入計画)
対象組織ネクストシステム株式会社(Step 1から継続)

前提条件

Step 2までの進捗(想定)

項目状態
心理的安全性向上プラン策定済み、パイロットチーム3チームで1on1開始
管理職ワークショップ実施済み、30名中25名参加
経営層の関心「改善しないコスト」のデータを見て関心を示している
パイロットチームの成果週次レトロスペクティブで改善提案が月3件に増加

追加制約条件

制約内容
予算年間500万円(表彰関連、ツール導入含む)
IT環境Slack、Jira、Confluenceを使用中
既存の評価サイクル半年ごと(4月・10月)
次の評価改定タイミング8ヶ月後
経営会議月1回、事前にアジェンダ提出が必要

Mission 1: 改善提案制度の設計

要件

以下を含む「改善提案制度」を設計してください。

  1. 提案フロー(提出 → 審査 → 実行 → 振り返りの全プロセス)
  2. 提案テンプレート(記入項目の定義)
  3. 審査基準とプロセス(誰が、何を基準に、どう判断するか)
  4. フィードバックの仕組み(提案者への必ずフィードバックする仕組み)
解答例

提案フロー

提出(Slackフォーム) → 自動チケット化(Jira)
  → 週次レビュー(改善推進委員会、3名)
  → 3日以内に初回フィードバック
  → 実行承認 or 保留 or 却下(理由付き)
  → 実行(担当チーム + イノベーションタイム活用)
  → 効果測定(1ヶ月後)
  → 振り返り・全社共有

提案テンプレート

項目記入内容必須/任意
タイトル改善内容を一言で必須
現状の課題何が問題か、どんな影響があるか必須
改善案具体的に何をするか必須
期待効果定量的な改善見込み必須
必要リソース時間、予算、人員任意
影響範囲自チーム/部門/全社必須
優先度(自己評価)高/中/低任意

審査基準

基準配点評価ポイント
効果の大きさ30点時間削減、品質向上、コスト削減の見込み
実現可能性25点技術的・組織的な実現難易度
影響範囲20点自チームか、全社に波及するか
実行スピード15点どれくらい早く成果が出るか
学びの大きさ10点成功しても失敗しても学びがあるか

フィードバックの仕組み

タイミング内容担当
提出直後受領確認(自動通知)システム
3日以内初回フィードバック(質問・補足依頼)改善推進委員
1週間以内審査結果と理由の通知改善推進委員長
実行中月次の進捗確認担当メンター
完了後効果測定レポートと感謝メッセージVPoE

Mission 2: イノベーションタイムと表彰制度の設計

要件

  1. イノベーションタイム制度(形態、ルール、運営方法)
  2. 表彰制度(日常認知 + 定期表彰)
  3. 評価制度との連動計画(次の評価改定に向けた準備)
解答例

イノベーションタイム制度

項目設計内容
形態ハイブリッド型(継続型 + 集中型)
継続型毎週金曜午後(4時間、業務時間の10%)
集中型四半期に1回のハックデイ(1日間)
テーマ制約初年度は「業務改善」に関連するテーマに限定
成果共有月次デモデイで任意発表
参加形態個人またはチーム(チーム横断も可)

表彰制度

分類仕組み頻度予算
日常認知Slackの#improvement-kudosチャンネル毎日0円
日常認知スプリントレビューでの改善貢献者紹介隔週0円
定期表彰月間改善ベストプラクティス賞(3件)月次3万円/月
定期表彰四半期改善大賞(個人1名 + チーム1組)四半期20万円/四半期
定期表彰ベストフェイル賞(最も学びのあった失敗)四半期5万円/四半期
年間表彰年間改善MVP年次カンファレンス参加権(30万円)

年間予算合計: 約200万円(予算500万円のうち)

評価制度連動計画

時期アクション目的
即時改善活動を「任意の加点項目」として人事に申請制度改定前の暫定措置
3ヶ月後改善活動の効果データを人事部に提出改定の根拠作り
6ヶ月後評価制度改定の正式提案改善活動を配点15%に
8ヶ月後新評価制度での運用開始制度的な裏付けの完成

Mission 3: 導入計画の策定

要件

  1. 6ヶ月の段階的導入ロードマップ
  2. 経営層への提案資料の骨子(3枚構成)
  3. 想定される抵抗と対策
  4. 成功指標(KPI)の定義
解答例

6ヶ月ロードマップ

フェーズ主なアクション成功指標
1準備経営層プレゼン、ツール整備、ルール策定経営層の承認獲得
2パイロット3チームで提案制度とイノベーションタイム開始提案10件以上
3拡大10チームに展開、初回ハックデイ実施提案30件以上、ハックデイ参加率50%
4全社展開全20チームで運用開始、表彰制度開始提案50件以上、実行率30%
5定着初回四半期表彰、効果測定レポート改善による時間削減月100時間
6最適化制度のフィードバック収集、改善満足度3.5/5.0以上

経営層提案資料の骨子

スライド1: 現状の課題(Why)

  • 改善しないコスト: 非効率会議で年間1億円、離職で年間5,000万円
  • 競合他社との比較: A社は改善提案月200件、当社は月2件

スライド2: 提案内容(What)

  • 3本柱: 改善提案制度、イノベーションタイム(週4h)、表彰制度
  • 年間予算: 500万円(ROI推定: 投資の5倍以上)

スライド3: 実行計画(How)

  • 6ヶ月の段階的導入、パイロット → 全社展開
  • KPI: 提案数月50件、実行率30%、離職率12%以下

想定される抵抗と対策

抵抗想定される発言対策
経営層「業績に直結するのか?」定量データで投資対効果を示す
中間管理職「部下の稼働が減る」改善による効率化の効果を先に示す
現場メンバー「また形だけの制度でしょ」パイロットで実績を作ってから展開
人事部「評価制度は簡単に変えられない」暫定的な加点制度から始める

KPI

分類指標目標値測定頻度
先行指標改善提案数月50件月次
先行指標イノベーションタイム利用率80%月次
先行指標表彰候補ノミネート数四半期20件以上四半期
遅行指標提案の実行率30%月次
遅行指標改善による時間削減月200時間月次
遅行指標制度満足度3.5/5.0四半期
遅行指標離職率12%以下四半期

達成度チェック

観点達成基準
提案フロー提出から振り返りまでの全プロセスが設計されている
審査基準透明性のある審査基準が定義されている
フィードバック提案者への迅速なフィードバックが保証されている
イノベーションタイム形態とルールが具体的に設計されている
表彰制度日常認知と定期表彰が予算内で設計されている
導入計画段階的な導入ロードマップが策定されている
抵抗への対策想定される抵抗と具体的な対策が用意されている
KPI先行指標と遅行指標の両方が定義されている

推定所要時間: 90分