クイズの説明
Step 4「ベンダー戦略を最適化しよう」の理解度を確認します。ベンダー戦略、交渉術、ポータビリティ設計、パートナーシップについて問います。
合格ライン: 80%(5問中4問正解)
問題
Q1. ベンダー戦略モデル
年間クラウド支出5億円の企業が、ベンダーロックインのリスクを管理しつつコスト効率も追求する場合、最も適切なベンダー戦略はどれですか?
- A. すべてのワークロードを最も安いベンダー1社に集約する
- B. プライマリベンダーに70-80%を集中させ、セカンダリ/スペシャリストで補完するポートフォリオを構築する
- C. AWS、Azure、GCPに均等に33%ずつ分散する
- D. オンプレミスに全面回帰してベンダーリスクをゼロにする
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正解: B
プライマリ/セカンダリ/スペシャリストのポートフォリオ戦略(B)が最適です。プライマリに集中することでボリュームディスカウントと深い専門性を確保しつつ、セカンダリ/スペシャリストで代替手段を持つことで交渉力とリスク分散を実現します。最安1社集約(A)はロックインリスクが高く、均等分散(C)はどのベンダーでもスケールメリットが得られません。オンプレ回帰(D)はクラウドのメリットを放棄します。
Q2. EDP交渉
クラウドベンダーとのEDP(Enterprise Discount Program)交渉において、最も重要な準備はどれですか?
- A. ベンダーの株価動向を分析する
- B. BATNA(交渉決裂時の代替案)を策定し、代替ベンダーの見積もりを取得する
- C. ベンダーのCEOに直接手紙を書く
- D. 社内の全エンジニアにアンケートを実施する
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正解: B
EDP交渉で最も重要な準備は、BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)の策定です。交渉が決裂した場合の代替案(他ベンダーへの移行計画、見積もり)を持つことで、交渉力の源泉を確保できます。「代替案がない交渉はお願いであって交渉ではない」という原則に基づきます。株価分析(A)は交渉に直接影響しません。CEO への手紙(C)は通常の交渉プロセスではありません。全社アンケート(D)は情報収集としては有用ですが最重要ではありません。
Q3. ポータビリティ設計
ベンダーロックインを回避するためのポータビリティ設計として、最も効果的なアプローチはどれですか?
- A. すべてのサービスをベンダー非依存にし、マネージドサービスを一切使わない
- B. コンテナ化とアブストラクション層を活用し、アプリケーション層のポータビリティを確保しつつ、ベンダー固有サービスは戦略的に許容する
- C. すべてのコードをオンプレミスでも動くように設計する
- D. 毎年ベンダーを変更して、特定ベンダーへの依存を防ぐ
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正解: B
ポータビリティは「0か100か」ではなく、コストとベネフィットのバランスです。コンテナ化と抽象化層でアプリケーションのポータビリティを確保しつつ、ベンダー固有サービスは差別化の源泉となる場合に戦略的に許容します。マネージドサービスを一切使わない(A)のはクラウドのメリットを大幅に損ないます。すべてをオンプレ互換に(C)するのはクラウドネイティブの設計原則に反します。毎年ベンダー変更(D)は移行コストが膨大で非現実的です。
Q4. パートナー活用の判断
以下のどの領域をSIパートナーに委託するのが最も適切ですか?
- A. 自社の競争優位に直結するコアプロダクトの開発
- B. クラウド環境への大規模マイグレーション(一時的に多くの専門家が必要)
- C. 機密性の高い経営データの管理
- D. 全社的なクラウド戦略の意思決定
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正解: B
SIパートナーの活用に最適なのは、大規模マイグレーションのような「一時的に多くの専門家が必要な領域」(B)です。マイグレーション完了後は社内チームで運用するため、永続的な外部依存にはなりません。コアプロダクト(A)は競争優位に直結するため内製すべきです。機密データ管理(C)はセキュリティの観点から社内管理が望ましいです。戦略の意思決定(D)は経営層が行うべきで、コンサルティングは参考にしても委託すべきではありません。
Q5. ベンダーロックイン
以下のクラウドサービスのうち、最もベンダーロックインのリスクが高いものはどれですか?
- A. Amazon EC2上のDockerコンテナ
- B. Amazon DynamoDB をコアデータストアとして使用
- C. Amazon EKS上の標準Kubernetesマニフェスト
- D. Amazon RDS上のPostgreSQL
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正解: B
DynamoDB(B)はAWS固有のNoSQLサービスであり、データモデル、API、クエリ言語がすべてAWS専用です。他ベンダーに移行する場合、データモデルの再設計とアプリケーションの大幅な書き換えが必要になります。Dockerコンテナ(A)は標準技術であり移行が容易です。EKS上の標準K8sマニフェスト(C)はGKEやAKSでもほぼそのまま使えます。RDS PostgreSQL(D)は標準的なPostgreSQLであり、他のマネージドPostgreSQLへの移行は比較的容易です。
結果
合格(4問以上正解)
Step 4の内容をよく理解しています。ベンダー戦略、交渉術、ポータビリティ設計、パートナーシップの考え方を身につけました。次のStep 5「クラウドCoEを確立しよう」に進みましょう。
不合格(3問以下正解)
Step 4の内容を復習しましょう。特に以下のポイントを重点的に確認してください:
- ポートフォリオ戦略 — プライマリ/セカンダリ/スペシャリストの分類
- EDP交渉 — BATNAの重要性と7つの交渉レバー
- ポータビリティ — バランスの取れたアブストラクション層設計
- ロックインリスク — 5つのレイヤーでの評価
推定所要時間: 30分