ストーリー
田中VPoEは真剣な表情で続けました。
ミッション概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 演習タイトル | 経営会議向け戦略提案書 |
| 想定時間 | 90分 |
| 成果物 | 経営会議向け戦略提案書(6セクション構成) |
シナリオ
企業概要
会社概要:
会社名: MediLink株式会社(架空)
事業: BtoB SaaS(医療機関向け予約管理・電子カルテ連携)
社員数: 200名
開発部門: 60名(バックエンド20名、フロントエンド15名、モバイル10名、QA8名、インフラ7名)
売上: 年間20億円(前年比+15%)
営業利益率: 10%
顧客数: 800病院・クリニック
ARPU: 250万円/年
チャーンレート: 月次0.8%(年換算9.2%)
NRR: 105%
設立: 2016年
経営課題(CEOからの依頼)
CEO: 「来年度の中期経営計画策定にあたり、技術戦略を提案してほしい。
以下の経営課題を踏まえた投資計画を作成してくれ。」
課題1: 「医療DXの規制強化(電子処方箋義務化、マイナ保険証対応)に
対応するための開発スピードが足りない」
課題2: 「大手病院チェーンからの大型案件(年間2億円)の受注に向けて、
SOC2 Type II認証の取得が必要」
課題3: 「AI(自然言語処理)を活用した新機能の開発要望が増えているが、
AI人材がゼロ」
課題4: 「エンジニア採用が困難。技術的負債による開発速度の低下が
エンジニアの不満につながっている」
課題5: 「3年以内のIPOを目指しており、技術基盤の信頼性と
スケーラビリティが重要」
現在の技術的状況
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| アーキテクチャ | モノリシック(Python/Django) |
| インフラ | AWS(EC2ベース)、コンテナ未使用 |
| CI/CD | GitHub Actions(一部手動デプロイ残) |
| テスト | ユニットテストカバレッジ45%、E2Eテストなし |
| セキュリティ | 年1回のペネトレーションテスト、WAFあり |
| 監視 | CloudWatch + PagerDuty |
| 可用性 | 99.8%(目標99.95%に未達) |
| リリース頻度 | 月2回 |
提案書の作成要件
セクション1: エグゼクティブサマリー(1-2ページ)
- 背景と課題
- 提案内容
- 投資額と期待効果
- タイムラインとマイルストーン
- 主要リスクと対策
- 承認依頼事項
セクション2: 背景と課題分析
- PEST分析の要約(医療業界の外部環境)
- SWOT分析(クロスSWOTの結論)
- 5つの経営課題と技術施策の対応関係
セクション3: 提案内容
- 技術施策の一覧と優先順位
- DXロードマップ(3フェーズ)
- 実施体制
- ゲートレビュー計画
セクション4: 財務分析
- 3年間のTCO(投資案 vs 現状維持)
- ROI/NPV/IRR/回収期間
- シナリオ分析(楽観/基本/悲観)
- 効果の内訳(4分類)
セクション5: リスク分析
- 上位5リスクの特定と定量化
- 緩和策と対策後EMV
- コンティンジェンシープラン(上位3件)
- リスク準備金の推奨
セクション6: 承認依頼事項
- Phase 1の予算と体制の承認
- Phase 2以降のゲートレビュー計画
- 承認後の次のアクション
解答例(エグゼクティブサマリーのみ)
背景: 医療DX規制の強化(電子処方箋義務化、マイナ保険証対応)と大手病院チェーンからの大型案件要件(SOC2 Type II)により、技術基盤の強化が急務です。同時にIPO準備として、システムの信頼性とスケーラビリティの向上が求められています。
提案: 24ヶ月の技術基盤近代化プログラムを3フェーズで実施し、開発速度2倍化、SOC2取得、AI機能基盤の構築を実現します。
投資と効果:
- 投資額: Phase 1 4,000万円(3年累計: 2.5億円)
- 期待効果:
- 大型案件受注による売上+2億円/年
- 開発生産性30%向上(年間3,600万円相当)
- 障害コスト60%削減(年間1,200万円)
- AI新機能によるARPU向上+10%(年間1.6億円)
- 5年NPV: 1.2億円(IRR 28%、回収期間1.8年)
タイムライン:
- Phase 1(0-6ヶ月): セキュリティ基盤+テスト自動化 → SOC2準備、リリース頻度3倍
- Phase 2(7-18ヶ月): コンテナ化+可観測性 → 可用性99.95%、大型案件受注
- Phase 3(19-24ヶ月): AI基盤構築 → AI機能リリース
主要リスクと対策:
- SOC2取得遅延(EMV 800万円)→ 外部コンサル活用、早期着手
- AI人材確保困難(EMV 600万円)→ 段階採用+外部パートナー
- 規制対応スケジュール圧迫(EMV 500万円)→ 専任チーム配置
承認依頼:
- Phase 1予算4,000万円+リスク準備金500万円の承認
- セキュリティ専任2名+AI人材1名の採用承認
- Phase 2はGate 1レビュー(6ヶ月後)で判断
達成度チェック
| 観点 | 達成基準 |
|---|---|
| 一貫性 | 6セクションすべてが相互に整合し、ストーリーとして繋がっている |
| 具体性 | 定量的な数値目標、予算、期限が含まれている |
| 実現可能性 | 予算・人員・時間の制約内で実現可能な計画になっている |
| 説得力 | 経営層がROIを理解し承認できるレベルの根拠がある |
| リスク対応 | 主要リスクが特定され、具体的な緩和策が示されている |
| 段階性 | フェーズ分けされ、各フェーズでの成果が明確である |
| 承認の明確性 | 何を承認してほしいかが具体的で、ゲートレビューが設計されている |
推定所要時間: 90分