EXERCISE 60分

ストーリー

田中VPoE
すべての準備が整った。最後の実践演習だ。TechFlow社のクラウド移行プロジェクトを経営会議で提案する模擬プレゼンテーションを行ってもらう
あなた
20分プレゼン+10分Q&Aですね
田中VPoE
そうだ。CEO(成長重視)、CFO(コスト・リスク重視)、COO(業務影響重視)の3名が参加する想定だ。全員を納得させなければならない
あなた
プレゼン資料の作成、想定Q&Aの準備、ステークホルダー分析 — すべてを総動員します
田中VPoE
これが通れば、君はエキスパートだ。頑張れ

ミッション概要

項目内容
演習タイトル経営会議向け模擬プレゼンテーション
想定時間60分
成果物プレゼン構成案 + スライド概要 + 想定Q&A回答集 + ステークホルダー対策

Mission 1: プレゼン構成の策定

要件

20分プレゼンの構成を設計してください。

  1. 各パートの時間配分とキーメッセージ
  2. 各スライドのタイトル(結論を含む)
  3. 使用するデータ・チャートの指定
解答例
時間パートスライドタイトルデータ/チャート
0:00-2
オープニング「リリース速度4倍化とコスト35%削減のための投資承認をお願いします」Before-After比較表
2:00-3
外部環境「DX市場の拡大と競合の技術投資加速が、対応を急務にしている」市場データ棒グラフ
3:30-5
内部課題「月1回のリリースと99.5%の可用性が、チャーンレート悪化の主因」KPIツリー図
5:00-6
課題の定量化「何もしなければ3年間で累計5億円の機会損失」コスト推移折れ線
6:30-8
提案概要「18ヶ月のクラウド移行+CI/CDで基盤を近代化」施策概要図
8:30-10
ロードマップ「3フェーズで段階的に成果を実現」ガントチャート
10:00-11
投資計画「3年TCO 5億円、現状維持比6.9億円の削減」コスト比較棒グラフ
11:30-13
ROI分析「NPV 6,400万円、IRR 16%、回収期間2.8年」ROI推移折れ線
13:00-14
シナリオ分析「悲観シナリオでもPhase 1のゲートで判断可能」3シナリオ比較表
14:30-16
リスクと対策「上位5リスクすべてに対策済み、残留リスクは準備金でカバー」リスクマトリクス
16:00-17
実施体制「社内12名+外部3名の15名体制で推進」組織図
17:00-18
承認依頼「Phase 1: 6,000万円の承認をお願いします」承認事項一覧
18:30-20
まとめ「“投資しないリスク”が最大のリスク。今が最適な投資タイミング」Before-After再掲

Mission 2: 想定Q&A回答集の作成

要件

以下のカテゴリ別に、想定質問と回答をPREP法で作成してください(各カテゴリ3問以上、合計15問以上)。

  1. 財務に関する質問(CFOから)
  2. 戦略に関する質問(CEOから)
  3. リスクに関する質問(CFO/CEOから)
  4. 実行可能性に関する質問(COOから)
  5. 代替案に関する質問(CEO/CFOから)
解答例(各カテゴリ代表1問ずつ)

財務: Q: 「クラウドの従量課金で、コストが膨らむリスクはないか?」 P: 月次コストモニタリングとアラート設定で制御します。 R: AWS利用料の上限アラートを設定し、月次レビューで予算対実績を確認します。リザーブドインスタンスの活用で30-40%のコスト削減も可能です。 E: 同規模B社では、最初の3ヶ月は予算の110%に達しましたが、最適化により6ヶ月後には予算の85%まで低下しました。 P: 初期の調整期間を想定してリスク準備金を確保しており、中期的にはコスト最適化が進みます。

戦略: Q: 「この投資で競合との差は埋まるのか?」 P: Phase 1-2でリリース速度を競合並みに引き上げ、Phase 3で差別化します。 R: 現在の月1回リリースを週2回に引き上げることで、競合との「速度格差」を解消します。その上で、Phase 3のマイクロサービス化で独立機能リリースを実現し、差別化を図ります。 E: 当社の強みである12年の業界知識と1,500社の顧客基盤は、技術基盤の近代化により最大限に活かされます。 P: 18ヶ月後にはリリース速度で競合に追いつき、さらに当社の強みを活かした差別化が可能になります。

リスク: Q: 「移行中にサービスが止まったらどうするのか?」 P: ダウンタイムゼロの移行計画を策定しています。 R: Blue-Greenデプロイメントを採用し、新旧環境を並行稼働させた上で、段階的にトラフィックを切り替えます。問題が発生した場合は即座にロールバック可能です。 E: 移行リハーサルを3回実施し、リハーサルで発生した問題をすべて解消した上で本番移行に臨みます。 P: サービス停止のリスクは、並行稼働とリハーサルにより最小化されています。

実行可能性: Q: 「インフラチーム15名のうちクラウド経験者が2名で大丈夫か?」 P: 外部パートナー3名のサポートと研修プログラムで対応します。 R: AWS認定アーキテクト1名がアーキテクチャ設計をリードし、移行支援2名が実務を担当します。社内メンバーはOJTで段階的にスキルを習得します。Phase 1の6ヶ月でクラウドの基礎スキルを身につけ、Phase 2では社内メンバー主導で移行を進める計画です。 E: 研修プログラム(AWS認定資格取得支援)の予算500万円をPhase 1に計上しています。 P: 外部の即戦力と内部の育成を組み合わせ、プロジェクト終了後は内製で運用できる体制を構築します。

代替案: Q: 「もっと小さく始められないか?」 P: Phase 1自体がスモールスタートの設計です。 R: 3年間3億円の全体投資のうち、まずPhase 1の6,000万円のみを承認いただきます。Phase 1ではCI/CD整備とセキュリティ基盤を構築し、6ヶ月後のゲートレビューでPhase 2への移行を判断します。 E: Phase 1の成果だけでも、リリース頻度2倍とセキュリティ監査対応が実現し、投資対効果が確認できます。 P: 段階的なアプローチにより、小さく始めて成果を確認してから拡大する設計になっています。


Mission 3: ステークホルダー対策

要件

  1. CEO、CFO、COOのステークホルダー分析
  2. 各人への事前アラインメントのアプローチ
  3. 経営会議で想定される最大の反対意見とその対処法
解答例

ステークホルダー分析:

役員関心事提案への姿勢懸念対策
CEO成長戦略、IPO準備前向き投資タイミング「今がベスト」のデータ提示
CFOROI、キャッシュフロー慎重コスト超過リスクゲートレビューと準備金で安心感
COO業務影響、実行可能性中立既存業務への支障並行運用計画の丁寧な説明

事前アラインメント:

CFO(最重要):

  • 会議2週間前: 財務分析ドラフトを送付し30分の個別面談
  • 会議1週間前: フィードバック反映版を再送、最終確認

CEO:

  • 会議2週間前: CTOを通じて提案概要を共有
  • 会議1週間前: 10分の個別ブリーフィング

COO:

  • 会議2週間前: 業務影響分析と並行運用計画を共有
  • 会議1週間前: 関連部門長からの支持コメントを取得

最大の反対意見への対処:

想定: CFOから「投資額が大きすぎる。半分にできないか?」

対処: 「Phase 1の6,000万円のみの承認をお願いしています。これは全体投資の20%です。Phase 1の成果を確認した上でPhase 2の投資判断を行いますので、実質的な初期コミットメントは6,000万円に限定されています。」


達成度チェック

観点達成基準
プレゼン構成20分の時間配分が適切で、各パートのキーメッセージが明確
スライド設計タイトルに結論が含まれ、1スライド1メッセージ
想定Q&A15問以上をPREP法で準備、回答に数字の裏付けがある
ステークホルダー各役員の関心事と懸念を的確に把握し、対策が具体的
事前アラインメント3段階のアプローチが設計されている

推定所要時間: 60分