QUIZ 30分

クイズの説明

Step 3「リスクと対策を明確化しよう」の理解度を確認します。リスク特定、定量化、緩和戦略、コンティンジェンシープランニングについて問います。

合格ライン: 80%(5問中4問正解)


問題

Q1. リスクの分類

「クラウド移行プロジェクトにおいて、チームのクラウドスキルが不足しており、設計品質が確保できない」というリスクは、どのカテゴリに分類されますか?

  • A. 実行リスク(プロジェクト計画の遂行に関するリスク)
  • B. ビジネスリスク(ビジネス環境の変化に関するリスク)
  • C. 組織リスク(組織・人材に関するリスク)
  • D. 技術リスク(技術の選定・運用に関するリスク)
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正解: C

「チームのスキル不足」は組織・人材に関するリスクです。スキルギャップは組織リスクの典型的な例であり、人材の採用・育成・配置に関する問題です。実行リスク(A)はスケジュールやコストに関するリスク、ビジネスリスク(B)は市場や競合の変化に関するリスク、技術リスク(D)は技術そのものの成熟度や適合性に関するリスクです。スキル不足の結果として実行リスクや技術リスクが高まりますが、根本原因は組織リスクに分類されます。


Q2. EMV(期待損失額)の活用

あるリスクの発生確率が25%、顕在化した場合の影響額が4,000万円です。このリスクの対策コストが800万円の場合、対策を実施すべきですか?

  • A. 対策コスト800万円 < 影響額4,000万円なので、実施すべき
  • B. 対策コスト800万円 < EMV 1,000万円なので、実施すべき
  • C. EMV 1,000万円は影響額4,000万円の25%に過ぎないので、実施すべきでない
  • D. 発生確率25%は低いので、リスクを受容すべき
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正解: B

EMV = 発生確率25% × 影響額4,000万円 = 1,000万円です。対策コスト800万円はEMV 1,000万円より小さいため、対策を実施することで期待値として200万円の損失回避効果があります。影響額そのもの(A)ではなく確率加重した期待損失額(EMV)と比較するのが正しい判断基準です。発生確率25%は「低い」とは言えず(C, D)、影響額が4,000万円と大きいため受容は不適切です。


Q3. リスク対応戦略

「AWSの特定サービスに強く依存しているため、将来のベンダーロックインが懸念される」というリスクに対して、最も適切なリスク対応戦略はどれですか?

  • A. 回避: AWSの利用を中止し、オンプレミスに戻す
  • B. 軽減: Terraformによるインフラのコード化、コンテナ技術(Kubernetes)の活用でベンダー依存を低減
  • C. 転嫁: ベンダーロックインの責任をAWSに移転する契約を締結
  • D. 受容: ベンダーロックインは避けられないので何もしない
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正解: B

ベンダーロックインリスクに対しては「軽減」が最も適切です。Terraformなどのマルチクラウド対応IaCツールやKubernetesによるコンテナ化により、特定ベンダーへの依存度を低減できます。クラウド利用自体を中止する(A)のはビジネス上の利点を放棄することになり過剰対応です。ベンダーロックインの責任をAWSに移転する(C)ことは現実的ではありません。何もしない(D)では将来の移行コストが膨大になるリスクがあります。


Q4. コンティンジェンシープランのトリガー

コンティンジェンシープランにおける「トリガー条件」の設定として最も適切なものはどれですか?

  • A. 「問題が発生したら」— できるだけ柔軟に対応できるよう、条件は曖昧にしておく
  • B. 「Phase 1完了時点でコスト実績が予算の120%を超過し、かつ効果KPIが目標の70%未満」のように、定量的で客観的に判断できる条件を設定する
  • C. 「CTOが必要と判断した場合」— 意思決定者の判断に完全に委ねる
  • D. 「全リスクが顕在化した場合」— 最悪のケースにのみ発動する
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正解: B

トリガー条件は「定量的」で「客観的に判断できる」ように設定する必要があります。曖昧な条件(A)ではプラン発動の判断がブレ、対応が遅れます。個人の判断に完全に委ねる(C)と、サンクコストバイアスなどの認知バイアスが影響する恐れがあります。最悪のケースのみ(D)では対応が遅すぎます。「コスト実績が予算の120%超過」「KPIが目標の70%未満」のように、数値基準を組み合わせた条件設定が最も適切です。


Q5. 撤退基準の意義

プロジェクトの投資提案書に「撤退基準」を明記する最も重要な理由はどれですか?

  • A. プロジェクトメンバーに危機感を持たせ、パフォーマンスを向上させるため
  • B. サンクコストバイアスに陥ることなく、損失が拡大する前に合理的な中止判断を可能にするため
  • C. プロジェクトの失敗に備えて、責任の所在を明確にするため
  • D. 監査対応として、社内規程で定められているため
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正解: B

撤退基準の最も重要な目的は、サンクコストバイアスを排除し、合理的な経営判断を可能にすることです。「既にこれだけ投資したから止められない」という心理的バイアスは、損失を拡大させる最大の要因です。事前に客観的な撤退条件を定義しておくことで、感情に左右されない判断ができます。また、経営層にとっては「最悪でもここで止められる」というセーフティネットとして機能し、初期投資の承認ハードルを下げる効果もあります。


結果

合格(4問以上正解)

Step 3の内容をよく理解しています。リスクの体系的な特定・定量化、緩和戦略の選択、コンティンジェンシープランの策定を身につけました。次のStep 4「エグゼクティブサマリーを作成しよう」に進みましょう。

不合格(3問以下正解)

Step 3の内容を復習しましょう。特に以下のポイントを重点的に確認してください:

  • リスクの4カテゴリ — 実行、ビジネス、組織、技術の分類基準
  • EMVの計算 — 発生確率 × 影響額による定量化と対策判断
  • 4つの対応戦略 — 回避、軽減、転嫁、受容の使い分け
  • コンティンジェンシープラン — トリガー条件の定量的な設定
  • 撤退基準 — サンクコストバイアスの排除と合理的判断

推定所要時間: 30分