EXERCISE 60分

ストーリー

田中VPoE
DevFlow社の改善プロジェクトは Phase 2(拡大展開)の中盤に差し掛かった。CTOへの月次報告が来週に迫っている
あなた
効果をまとめて報告する必要がありますね
田中VPoE
そうだ。しかも、CTO佐藤は「次の四半期の改善予算の継続」を経営会議に諮る予定だ。つまり、この報告が次の投資判断の材料になる。説得力のある効果測定レポートを作ってくれ
あなた
データを集めてダッシュボードを設計し、レポートにまとめます
田中VPoE
忘れるな。数字だけでなく、ストーリーも必要だ。「改善の結果、何が変わったのか」を経営層が直感的に理解できるレポートにしてくれ

ミッション概要

項目内容
演習タイトル効果測定ダッシュボードの設計
想定時間60分
成果物KPI体系 + ダッシュボード設計 + エグゼクティブレポート
前提Phase 2の中盤(Week 18時点)

前提条件

現在の測定データ(Week 18時点)

メトリクスベースラインPhase 1終了時現在(Phase 2中盤)目標
リードタイム43日28日(チームA)30日(全チーム平均)20日
デプロイ頻度月2回週1回(チームA)月3回(全チーム平均)週2回
変更失敗率22%7%(チームA)15%(全チーム平均)10%
MTTR8時間2時間(チームA)4時間(全チーム平均)2時間
テストカバレッジ30%75%(チームA)55%(全チーム平均)80%
PRサイクルタイム72時間18時間(チームA)36時間(全チーム平均)24時間
開発者満足度4.26.8(チームA)5.5(全チーム平均)7.0

チーム別の進捗

チームCI/CDテスト自動化新プロセス状態
チームA稼働中カバレッジ80%定着完了
チームB稼働中カバレッジ55%適応中順調
チームC構築中カバレッジ30%未開始やや遅延
プラットフォーム稼働中カバレッジ65%適応中順調
QA部-自動テスト基盤構築中役割移行中順調
インフラ部デプロイ自動化完了-新手順定着中順調

コストデータ

項目計画実績
Phase 0-1 予算2,350万円2,200万円
Phase 2 予算(現時点)2,200万円1,800万円(消化中)
人件費(専任2名、18週)1,350万円1,350万円

Mission 1: KPI体系の設計

要件

DevFlow社の改善プロジェクト向けの3階層KPI体系を設計してください。

  1. Level 1(ビジネスKPI): 経営層向け、3-5指標
  2. Level 2(プロセスKPI): 改善チーム向け、5-8指標
  3. Level 3(チームKPI): 各チーム向け、5-10指標
  4. 各KPIに目標値、測定方法、更新頻度を設定する
解答例

Level 1: ビジネスKPI

KPI目標値測定方法更新頻度
顧客への機能提供速度(リードタイム)20日以下Jira分析月次
サービス信頼性(稼働率)99.9%監視ツール月次
改善ROI200%以上コスト/効果分析四半期
開発組織の健全性(eNPS)+20以上サーベイ四半期

Level 2: プロセスKPI

KPI目標値測定方法更新頻度
デプロイ頻度週2回以上CI/CDログ週次
変更失敗率10%以下インシデント管理週次
MTTR2時間以下PagerDuty週次
テスト自動化カバレッジ80%以上CI/CDレポート週次
プロセス効率70%以上VSM分析月次
セキュリティスキャン通過率95%以上SASTツール週次
チーム展開率100%プロジェクト管理週次

Level 3: チームKPI

KPI目標値測定方法更新頻度
PRサイクルタイム24時間以内GitHub API日次
ビルド成功率95%以上CI/CDログ日次
コードレビュー待ち時間4時間以内GitHub API日次
スプリントバーンダウン精度±10%以内Jiraスプリント
手動テスト時間前月比-20%工数レポートスプリント

Mission 2: ダッシュボード設計

要件

改善効果ダッシュボードのワイヤーフレームを設計してください。

  1. 経営層向けビュー: 1画面で全体像が把握できる
  2. 改善チーム向けビュー: トレンドと異常が一目でわかる
  3. データソース: 各KPIのデータをどこから取得するかを明記する
解答例

経営層向けビュー

┌─────────────────────────────────────────────────┐
│ 改善プロジェクト サマリー          2026年3月 Week 18│
├──────────┬──────────┬──────────┬──────────────────┤
│ リードタイム │ デプロイ頻度│ 信頼性    │ ROI             │
│  30日→目標20│ 月3回→目標8│ 稼働率99.7%│ 投資:3,550万     │
│  [🟡 改善中]│[🟡 改善中] │ [🟡 改善中]│ 効果:5,200万     │
│  [======>  ]│[=====>   ]│[======>  ]│ ROI: 146%       │
├──────────┴──────────┴──────────┴──────────────────┤
│ [改善効果の推移グラフ: リードタイム 43日→30日]         │
│ [ベースライン43d --- Phase1 28d --- 現在30d --- 目標20d]│
├─────────────────────────────────────────────────────┤
│ チーム展開状況    ████████░░ 70%                      │
│  チームA:✅ チームB:✅ チームC:🔄 プラットフォーム:✅    │
├─────────────────────────────────────────────────────┤
│ 経営判断事項: Phase 2の予算は計画内。追加投資不要        │
└─────────────────────────────────────────────────────┘

データソース

KPIデータソース取得方法
リードタイムJiraAPI連携(自動)
デプロイ頻度GitHub Actions / JenkinsWebhook(自動)
変更失敗率PagerDuty + JiraAPI連携(自動)
テストカバレッジSonarQube / JestCI/CDパイプライン(自動)
開発者満足度Google Forms手動(隔週サーベイ)
コストデータ経理システム手動(月次更新)

Mission 3: エグゼクティブレポートの作成

要件

CTO佐藤への月次報告用のエグゼクティブレポートを作成してください。

  1. サマリー: 1段落で全体像を伝える
  2. 数字の裏のストーリー: データをストーリーとして伝える
  3. 次の投資への提言: Phase 3への投資判断を促す根拠
解答例

エグゼクティブレポート

サマリー

改善プロジェクトは計画通り進行しています。リードタイムは43日から30日に30%短縮(目標: 53%短縮の20日)。4チーム中3チームへの展開が完了し、Phase 2の予算消化率は82%で計画内です。次の四半期でPhase 3(定着化)を完了すれば、年間1.5億円以上の生産性向上効果が見込めます。

数字の裏のストーリー

6ヶ月前、1つの機能を顧客に届けるのに43日かかっていました。エンジニアは「コードを書いている時間よりレビュー待ちの方が長い」と嘆いていました。今、チームAでは要望から17日でリリースできるようになりました。チームBのリーダー伊藤さんは、当初「また失敗する」と懐疑的でしたが、今は「うちのチームでもやれる」と自ら推進しています。開発者満足度は4.2から5.5に改善し、チームAでは6.8に達しています。

投資3,550万円に対し、効果は既に5,200万円。まだ道半ばですが、投資対効果は明確です。

次の投資への提言

Phase 3(定着化、8週間)に450万円の追加投資を提言します。これにより:

  • テストカバレッジ80%達成(現在55%→80%)
  • 全チームの新プロセス定着と標準化
  • 年間効果1.5億円の継続的な創出

Phase 3を完了しなければ、改善効果は持続せず、徐々に元に戻るリスクがあります。


達成度チェック

観点達成基準
KPI体系3階層で設計され、各指標に目標値と測定方法がある
ダッシュボード対象者別にビューが設計され、データソースが明記されている
エグゼクティブレポート1ページで全体像が伝わり、次のアクションが明確
ストーリーテリングデータだけでなく、人の変化や組織の変化が伝わる

推定所要時間: 60分