EXERCISE 90分

ストーリー

田中VPoE
セキュリティの理論を一通り学んだ。CISOから「マルチクラウド環境の統合セキュリティポリシーを策定してほしい」と依頼が来ている
あなた
ベースライン、ID管理、ネットワーク、コンプライアンスを統合した設計ですね
田中VPoE
そうだ。特にEU展開を控えてGDPR対応が急務だ。セキュリティポリシーは「書いて終わり」ではない。自動化とモニタリングまで含めて設計してくれ
あなた
Policy as Codeの考え方で、検証可能なポリシーにします

ミッション概要

項目内容
演習タイトル統合セキュリティポリシーの策定
想定時間90分
成果物マルチクラウドセキュリティポリシー(ベースライン + ID + ネットワーク + コンプライアンス)
対象組織TechServe株式会社

前提条件

セキュリティ関連の現状

項目状況
セキュリティチーム10名(うちクラウドセキュリティ専任3名)
既存認証基盤AWS Cognito(顧客向け)、Google Workspace(社内)
暗号化AWS KMSで保存データ暗号化済み。GCP/Azureは未設定
監視CloudWatch + PagerDuty(AWSのみ)
コンプライアンスSOC 2取得済み(AWSのみ対象)
直近のインシデントIAMアクセスキーの漏洩(GitHubに誤コミット、即座に無効化)

追加要件

要件詳細
GDPR対応6ヶ月以内にEU展開。EU顧客の個人データ管理体制構築
SOC 2拡張マルチクラウド環境全体をSOC 2の対象範囲に拡大
ゼロトラスト段階的にゼロトラストアーキテクチャを導入
自動化セキュリティチェックの80%を自動化

Mission 1: セキュリティベースラインの設計

要件

TechServe社のマルチクラウド環境に適用するセキュリティベースラインを設計してください。

  1. 10のベースライン要件の具体的な実装方針(各クラウドでの実装方法)
  2. セキュリティスコアカード(各クラウドの現状評価と目標)
  3. 優先順位付きの改善ロードマップ
解答例

セキュリティスコアカード

ベースライン要件AWS(現状)GCP(現状)Azure(現状)目標
最小権限3/51/5(未整備)1/5(未整備)4/5
MFA強制4/52/52/55/5
暗号化4/51/5(未設定)1/5(未設定)5/5
ログ集約3/51/51/54/5
ネットワーク分離4/52/52/54/5
脆弱性管理3/51/51/54/5
シークレット管理2/5(IAMキー漏洩事故あり)1/51/55/5
インシデント対応3/51/51/54/5
コンプライアンス3/5(SOC 2あり)1/51/54/5
セキュリティ教育2/5--4/5

改善ロードマップ

優先度施策対象期限
1(即時)シークレット管理の統一(IAMキー全廃止)全クラウド1ヶ月
2(1ヶ月)MFA強制の全クラウド適用GCP, Azure2ヶ月
3(2ヶ月)暗号化の全クラウド設定GCP, Azure3ヶ月
4(3ヶ月)ログ集約の統合SIEM構築全クラウド4ヶ月
5(4ヶ月)ネットワーク分離の全クラウド適用GCP, Azure5ヶ月

Mission 2: ID連携とアクセス制御の設計

要件

マルチクラウド環境のID連携とアクセス制御を設計してください。

  1. IdPの選定と選定理由
  2. 統一RBAC設計(ロール定義、各クラウドのマッピング)
  3. サービスアカウント管理方針
解答例

IdP選定

選定: Google Workspace(既存)+ Entra ID(Enterprise SSO用)

評価基準Google WorkspaceEntra ID
マルチクラウド対応GCPは直接、AWS/AzureはSAML全クラウド対応
既存環境との親和性社内IDとして使用中Enterprise顧客のSSO要件
コスト既存費用内Azure利用に含む
決定社内アクセスのIdP顧客向けSSO、EU環境のIdP

統一RBAC

統一ロール対象者AWSGCPAzure
PlatformAdminインフラリードAdministratorAccessOwnerOwner
SecurityOpsセキュリティチームSecurityAuditSecurity AdminSecurity Admin
Developer開発者開発環境のみPowerUserEditor(プロジェクト限定)Contributor(RG限定)
ViewerPM、ビジネスReadOnlyViewerReader
FinOpsFinOpsチームBilling+CostExplorerBilling ViewerCost Mgmt Reader

サービスアカウント方針

  • 長期アクセスキーの全面廃止(30日以内に移行完了)
  • OIDC Federationによるキーレス認証の導入
  • 四半期ごとのサービスアカウント棚卸し

Mission 3: コンプライアンス対応計画

要件

GDPR対応とSOC 2拡張の具体的な実施計画を策定してください。

  1. GDPR対応チェックリスト(技術的対策と組織的対策)
  2. SOC 2対象範囲の拡張計画
  3. Policy as Codeの設計(自動チェック項目とツール選定)
解答例

GDPR対応チェックリスト

カテゴリ対策状況期限
データマッピングEU顧客データの所在地を特定・文書化未着手2ヶ月目
同意管理Cookie同意、データ処理同意の仕組み構築未着手3ヶ月目
データ主権EU顧客データをAzure EUリージョンに限定設計中4ヶ月目
忘れられる権利データ削除API・プロセスの構築未着手4ヶ月目
DPA(処理委託契約)AWS/GCP/AzureとDPAを締結AWS済み3ヶ月目
DPO(データ保護責任者)DPOの任命未着手1ヶ月目
DPIA(影響評価)データ保護影響評価の実施未着手5ヶ月目

Policy as Code設計

チェック項目ツール適用タイミング
IaCポリシー違反Terraform SentinelPRマージ前
K8sポリシー違反OPA Gatekeeperデプロイ前
クラウド設定不備AWS Config / GCP SCC / Azure Policy継続的
データ所在地違反カスタムOPAポリシーデプロイ前+継続的
暗号化未設定Cloud Custodian継続的

達成度チェック

観点達成基準
ベースライン10要件の具体的な実装方針が各クラウドで設計されている
ID管理IdP選定の根拠が明確で、統一RBAC設計がされている
コンプライアンスGDPR対応の具体的なチェックリストと期限がある
自動化Policy as Codeで検証可能なポリシーが設計されている
実現可能性セキュリティチーム10名で実行可能な計画
優先順位リスクの高い課題から着手する順序付けがされている

推定所要時間: 90分