クイズの説明
Step 3「移行ロードマップを策定しよう」の理解度を確認します。移行戦略、ストラングラーフィグパターン、フェーズドロールアウト、リスク管理について問います。
合格ライン: 80%(5問中4問正解)
問題
Q1. 移行戦略の選択
30サービスが稼働するEC2環境を全面的にEKS(Kubernetes)に移行する場合、最も適切な移行戦略はどれですか?
- A. 全30サービスを一括でEKSに移行するビッグバンリプレース
- B. サービスを優先度で分類し、低リスクなサービスから段階的にEKSに移行する
- C. 全サービスをEC2のまま維持し、新規サービスのみEKSにする
- D. 30サービスをすべて一旦廃止し、EKS上で新規に構築し直す
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正解: B
30サービスの移行は規模が大きく、ビッグバン(A)は極めてリスクが高いです。低リスクなサービス(ステートレス、トラフィックが少ない等)からEKSに移行し、知見とテンプレートを蓄積しながら段階的に拡大する(B)のが最適です。EC2維持(C)は技術的負債の放置であり、全面廃止・再構築(D)は事業中断のリスクが高すぎます。Month 5のクラウド移行で学んだ6Rパターンのうち、Replatform(コンテナ化)を段階的に適用するアプローチです。
Q2. ストラングラーフィグの設計
CI/CDパイプラインのJenkins→GitHub Actions移行において、「ルーティング層」の役割として最も適切なものはどれですか?
- A. JenkinsとGitHub Actionsの両方を同時に実行し、結果を比較する
- B. 共通のインターフェースを提供し、内部で新旧のCI/CDツールへの振り分けを行う。これにより利用者は切り替えを意識せずに移行できる
- C. Jenkinsのすべての設定をGitHub Actionsの形式に自動変換する
- D. GitHub Actionsのワークフローを手動で各リポジトリに配布する
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正解: B
ストラングラーフィグのルーティング層は、利用者から新旧の実装を隠蔽し、内部で適切な方にルーティングする役割を果たします。CI/CDの場合、Reusable Workflowテンプレートが共通インターフェースとなり、内部でJenkinsまたはGitHub Actionsのどちらを実行するかを制御します。同時実行(A)はShadow Testingのパターンで有用ですがルーティング層の主な役割ではありません。自動変換(C)は互換性レイヤーの機能であり、手動配布(D)はスケールしません。
Q3. フェーズドロールアウトの設計
3年間の技術基盤刷新において、「Phase 0(基盤整備)」を最初の3ヶ月に設ける主な理由として最も適切なものはどれですか?
- A. 3ヶ月あればすべての技術基盤を刷新できるため
- B. 後続のPhaseが依存する前提条件(認証統合、監視基盤等)を整備し、クイックウィンで経営層の信頼を得るため
- C. 最初の3ヶ月は様子見期間として計画の妥当性を検証するため
- D. チームメンバーの採用に3ヶ月かかるため
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正解: B
Phase 0は2つの重要な目的を持っています。(1) 後続のPhaseが依存する前提条件の整備(SSO統合、Datadog導入等)により、Phase 1以降の施策がスムーズに進められるようにする。(2) SSO統合やダッシュボード整備などのクイックウィンを早期に達成し、経営層やステークホルダーにプロジェクトの価値を示す。Month 9で学んだように、大規模投資の承認を維持するには、継続的に成果を見せることが不可欠です。
Q4. リスク管理
技術基盤刷新プロジェクトにおいて、「開発チームの変革抵抗」リスクへの対応としてADKARモデルを適用する場合、最初に行うべきステップはどれですか?
- A. 新ツールのトレーニングを即座に開始する(Knowledge)
- B. なぜ技術基盤の刷新が必要なのか、現状の課題を全社に共有する(Awareness)
- C. 変革に抵抗する人を特定し、個別に説得する
- D. 新しいツールを強制的に導入し、旧ツールを廃止する
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正解: B
ADKARモデルの最初のステップは「Awareness(認知)」です。なぜ変革が必要なのか、現状の課題(手動デプロイの非効率性、ツール分散による生産性低下等)を全社に共有し、変革の必要性を理解してもらうことが出発点です。Month 8で学んだように、人は「なぜ変わる必要があるのか」を理解しなければ変革に参加しません。トレーニング(A)は3番目のステップ(Knowledge)であり、認知なしに行っても動機が伴いません。個別説得(C)は組織的なアプローチではなく、強制導入(D)は最も抵抗を招きます。
Q5. 撤退計画の判断
3年間の技術基盤刷新プロジェクトにおいて、12ヶ月経過時点で以下の状況になっています。最も適切な判断はどれですか?
CI/CD統一は90%完了、SLO定義は全サービス完了。しかし、景気悪化により次年度の予算が当初計画の60%に削減されることが決定。
- A. 予算削減を理由にプロジェクトを全面中止する
- B. Phase 1の成果を維持しつつ、段階的縮小計画に基づきPhase 2の施策を優先度1(CI/CD統一完了、セキュリティ統合)に絞って継続する
- C. 予算削減を無視して当初計画通りに進める
- D. 全施策の進捗を均等に60%に縮小する
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正解: B
Phase 1の成果(CI/CD統一90%、SLO全定義)は重要な資産であり、これを維持しつつ、予算制約の中で最大の効果を得る戦略が必要です。段階的縮小計画の優先度1(死守する施策)に集中し、CI/CD統一の完了とセキュリティスキャン統合を確実にします。全面中止(A)はPhase 1の投資を無駄にします。予算無視(C)は非現実的です。均等縮小(D)はどの施策も中途半端になり、完了する施策がなくなるリスクがあります。Month 9で学んだ「限られたリソースでの優先順位付け」の実践です。
結果
合格(4問以上正解)
Step 3の内容をよく理解しています。次のStep 4「体制とガバナンスを確立しよう」に進みましょう。
不合格(3問以下正解)
Step 3の内容を復習しましょう。特に以下のポイントを重点的に確認してください:
- 段階的移行 — サービス単位での優先度付けと順次移行
- ストラングラーフィグ — ルーティング層と互換性レイヤーの役割
- フェーズドロールアウト — Phase 0の意義とクイックウィンの確保
- リスク管理 — ADKARモデルによる変革抵抗への対応
- 撤退計画 — 段階的縮小と優先度判断
推定所要時間: 30分