EXERCISE 90分

ストーリー

田中VPoE
移行戦略の理論はすべて学んだ。ここからはTechForward社の移行ロードマップを実際に策定してもらう
あなた
Step 1のアセスメントとStep 2の目標アーキテクチャをつなぐ「How」の部分ですね
田中VPoE
そうだ。3年間のフェーズドロールアウト計画、各施策のストラングラーフィグ設計、リスク管理計画まで含めて策定してくれ。CTOが経営会議で使う資料のドラフトだと思って取り組んでほしい

ミッション概要

項目内容
演習タイトルTechForward社の移行ロードマップ策定
想定時間90分
成果物移行ロードマップ(フェーズ計画 + ストラングラーフィグ設計 + リスク管理)

Mission 1: 3年間のフェーズドロールアウト計画(30分)

要件

  1. 4フェーズの計画を策定(Phase 0/1/2/3、各フェーズの期間・目標・主要施策)
  2. 各フェーズのマイルストーンを定義(最低各フェーズ3つ以上)
  3. クイックウィンを各フェーズで1つ以上特定
  4. 依存関係を考慮した施策の実行順序を図示
解答例

4フェーズ計画:

Phase期間目標主要施策クイックウィン
0: 基盤整備0-3ヶ月移行の土台作りSSO統合、Datadog導入、CI/CDテンプレートSSO統合による開発者体験改善
1: コア刷新3-12ヶ月基盤の統一CI/CD統一、IaC拡大、SLO展開、セキュリティスキャン統合デプロイ頻度2倍
2: PF展開12-24ヶ月プラットフォーム化IDP構築、ゼロトラスト、FinOps、EC2完全廃止新サービス立ち上げ1時間
3: 高度化24-36ヶ月AI/データ高度化AI/ML基盤、データメッシュ、AIOpsAI活用ユースケース3件

Phase 1のマイルストーン例:

  • M1(6ヶ月): CI/CD統一50%完了、パイロットチーム5チーム移行
  • M2(9ヶ月): セキュリティスキャン全パイプライン統合完了
  • M3(12ヶ月): CI/CD統一100%、SLO全サービス定義完了

Mission 2: ストラングラーフィグ設計(30分)

要件

以下の3つの基盤について、ストラングラーフィグの詳細設計を行ってください。

  1. CI/CD基盤(Jenkins → GitHub Actions)
  2. 監視基盤(Datadog/CloudWatch/Zabbix → Datadog統一)
  3. データ基盤(サイロ化 → 統合データ基盤)

各基盤について以下を設計:

  • ルーティング層の設計
  • 互換性レイヤーの設計
  • 段階的切り替えスケジュール(カナリア方式)
  • ロールバック手順
解答例(CI/CD基盤のみ抜粋)

CI/CD基盤のストラングラーフィグ:

ルーティング層: GitHub Actions Reusable Workflowテンプレート

  • 共通のインターフェース(build, test, deploy)を定義
  • テンプレート内部で新旧の実行先を切り替え可能

互換性レイヤー:

  • Jenkinsfileの主要パラメータをGitHub Actions入力に変換するスクリプト
  • 既存のJenkinsジョブの出力フォーマットをGitHub Actions形式に変換

段階的切り替え:

  • Week 1-2: パイロット(1チーム、低リスクサービス)
  • Week 3-6: アーリーアダプター(5チーム、バックエンド中心)
  • Week 7-12: マジョリティ(15チーム、フロントエンド含む)
  • Week 13-16: レイトアダプター(残り全チーム)
  • Week 17-20: Jenkins完全廃止

ロールバック手順:

  1. ルーティング層でJenkinsパイプラインを再有効化(5分)
  2. GitHub Actionsワークフローを無効化(2分)
  3. 移行前のJenkinsfile設定に復帰(10分)
  4. 影響範囲の確認と原因分析

Mission 3: リスク管理計画(30分)

要件

  1. リスク登録簿を作成(最低10件、影響度×確率のスコアリング)
  2. 上位5リスクの緩和策を詳細に設計
  3. 施策レベルの撤退計画を3つ以上作成
  4. 段階的縮小計画(優先度1/2/3の分類)
解答例

リスク登録簿(上位5件):

IDリスク影響度確率スコア緩和策
R01CI/CD移行中の本番デプロイ障害5210カナリア移行、ロールバック手順、移行前後のテスト比較
R02プラットフォームチームリーダーの退職5315クロストレーニング、ADR文書化、バスファクター2以上
R03開発チームの新ツールへの抵抗4416ADKARモデルに基づくチェンジマネジメント、痛み解消の訴求
R04予算削減による計画縮小5210段階的縮小計画の事前準備、クイックウィンによるROI実証
R05データ移行時のデータ不整合5210検証パイプライン、バックアップ、段階的移行

段階的縮小計画:

  • 優先度1(死守): CI/CD統一、セキュリティスキャン統合、SLI/SLO定義
  • 優先度2(できれば): IDP構築、IaC拡大、FinOps導入
  • 優先度3(余裕あれば): ゼロトラスト、AI/ML基盤、データメッシュ

達成度チェック

観点達成基準
フェーズ計画4フェーズが論理的に構成され、マイルストーンが測定可能
依存関係施策間の依存関係が明示され、実行順序が妥当
ストラングラーフィグルーティング層、互換性レイヤー、段階的切り替えが具体的
ロールバック各施策にロールバック手順が定義されている
リスク管理10件以上のリスクが特定され、スコアリングと緩和策がある
撤退計画施策レベルとプロジェクトレベルの撤退基準が明確
経営視点各フェーズでクイックウィンが確保されている

推定所要時間: 90分