LESSON 30分

「技術的な意思決定で一番危険なのは、データなしの直感と、全員の合意を待ち続けることだ」と佐藤CTOは言った。「フレームワークを使えば、構造的に考え、透明性のある判断ができる。」

1. 意思決定フレームワーク

DACI フレームワーク

役割説明
Driver意思決定プロセスを推進する人Tech Lead
Approver最終決定権を持つ人(1名)CTO / VP of Engineering
Contributor意見やデータを提供する人チームメンバー、SRE、セキュリティ
Informed決定を通知される人関連チーム、ステークホルダー

Decision Matrix(意思決定マトリクス)

技術選定例: フロントエンドフレームワーク

評価基準        | 重み | React | Vue  | Svelte |
─────────────────────────────────────────────
学習コスト      | 2    | 7(14) | 9(18)| 8(16)  |
エコシステム    | 3    | 10(30)| 8(24)| 5(15)  |
パフォーマンス  | 2    | 7(14) | 7(14)| 9(18)  |
採用市場        | 3    | 10(30)| 7(21)| 4(12)  |
チームスキル    | 3    | 9(27) | 5(15)| 3(9)   |
─────────────────────────────────────────────
合計            |      | 115   | 92   | 70     |
→ React を採用

2. 不確実性下の意思決定

Reversible vs Irreversible Decisions

種類アプローチ
Type 1(不可逆)DB選定、プログラミング言語変更慎重に、データ収集して判断
Type 2(可逆)ライブラリ選定、API設計の細部素早く決めて検証、間違えたら変更

「多くの決定はType 2だ。Type 1のように扱って判断を遅らせることの方が危険」— Jeff Bezos

バイアスへの対処

バイアス説明対策
確証バイアス自分の仮説を支持する情報だけ集めるDevil’s Advocate を任命
サンクコスト投資した時間・コストに囚われる「今から始めるとしたら?」と問う
バンドワゴン「みんな使っている」で判断自社の要件との適合性で判断
アンカリング最初の情報に引っ張られる独立した評価を先にしてから比較

3. リスク評価マトリクス

影響度
  高 │ 回避    │ 軽減    │
     │ (Type1) │ (計画的)│
  低 │ 受容    │ 監視    │
     └────────┴─────────
       低         高
           発生確率

まとめ

トピック要点
DACI役割を明確にして意思決定の責任を分散
Decision Matrix定量的に選択肢を比較し透明性のある判断
Type 1/2不可逆な決定は慎重に、可逆な決定は素早く
バイアス対策構造化された評価プロセスでバイアスを排除

チェックリスト

  • DACIフレームワークで役割を定義できる
  • Decision Matrixで技術選定を定量評価できる
  • Type 1/Type 2 の意思決定を区別できる
  • 認知バイアスとその対策を知っている

次のステップへ

意思決定フレームワークを学んだ。次は 経営層へのテクニカルプレゼンテーション を学ぼう。

推定読了時間: 30分