「技術的な意思決定で一番危険なのは、データなしの直感と、全員の合意を待ち続けることだ」と佐藤CTOは言った。「フレームワークを使えば、構造的に考え、透明性のある判断ができる。」
1. 意思決定フレームワーク
DACI フレームワーク
| 役割 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| Driver | 意思決定プロセスを推進する人 | Tech Lead |
| Approver | 最終決定権を持つ人(1名) | CTO / VP of Engineering |
| Contributor | 意見やデータを提供する人 | チームメンバー、SRE、セキュリティ |
| Informed | 決定を通知される人 | 関連チーム、ステークホルダー |
Decision Matrix(意思決定マトリクス)
技術選定例: フロントエンドフレームワーク
評価基準 | 重み | React | Vue | Svelte |
─────────────────────────────────────────────
学習コスト | 2 | 7(14) | 9(18)| 8(16) |
エコシステム | 3 | 10(30)| 8(24)| 5(15) |
パフォーマンス | 2 | 7(14) | 7(14)| 9(18) |
採用市場 | 3 | 10(30)| 7(21)| 4(12) |
チームスキル | 3 | 9(27) | 5(15)| 3(9) |
─────────────────────────────────────────────
合計 | | 115 | 92 | 70 |
→ React を採用
2. 不確実性下の意思決定
Reversible vs Irreversible Decisions
| 種類 | 例 | アプローチ |
|---|---|---|
| Type 1(不可逆) | DB選定、プログラミング言語変更 | 慎重に、データ収集して判断 |
| Type 2(可逆) | ライブラリ選定、API設計の細部 | 素早く決めて検証、間違えたら変更 |
「多くの決定はType 2だ。Type 1のように扱って判断を遅らせることの方が危険」— Jeff Bezos
バイアスへの対処
| バイアス | 説明 | 対策 |
|---|---|---|
| 確証バイアス | 自分の仮説を支持する情報だけ集める | Devil’s Advocate を任命 |
| サンクコスト | 投資した時間・コストに囚われる | 「今から始めるとしたら?」と問う |
| バンドワゴン | 「みんな使っている」で判断 | 自社の要件との適合性で判断 |
| アンカリング | 最初の情報に引っ張られる | 独立した評価を先にしてから比較 |
3. リスク評価マトリクス
影響度
高 │ 回避 │ 軽減 │
│ (Type1) │ (計画的)│
低 │ 受容 │ 監視 │
└────────┴─────────
低 高
発生確率
まとめ
| トピック | 要点 |
|---|---|
| DACI | 役割を明確にして意思決定の責任を分散 |
| Decision Matrix | 定量的に選択肢を比較し透明性のある判断 |
| Type 1/2 | 不可逆な決定は慎重に、可逆な決定は素早く |
| バイアス対策 | 構造化された評価プロセスでバイアスを排除 |
チェックリスト
- DACIフレームワークで役割を定義できる
- Decision Matrixで技術選定を定量評価できる
- Type 1/Type 2 の意思決定を区別できる
- 認知バイアスとその対策を知っている
次のステップへ
意思決定フレームワークを学んだ。次は 経営層へのテクニカルプレゼンテーション を学ぼう。
推定読了時間: 30分