CI/CDツール比較
ストーリー
「CI/CDの概念は理解できたか?次は実際に使うツールを選定しよう」
木村先輩がディスプレイに主要なCI/CDツールの一覧を表示した。
「今の時代、CI/CDツールは山ほどある。Jenkins、GitHub Actions、 GitLab CI、CircleCI......どれを選ぶかはプロジェクトの状況次第だ」
「どれが一番いいんですか?」
「銀の弾丸はない。だが、うちのチームはGitHubをメインで使っているから、 GitHub Actionsが最もスムーズに導入できる。 まずは各ツールの特徴を把握して、なぜGitHub Actionsを選ぶのか 理屈を理解しておこう」
主要なCI/CDツール
ツール一覧
| ツール | タイプ | 提供形態 | 初期リリース |
|---|---|---|---|
| Jenkins | セルフホスト | OSS | 2011年 |
| GitHub Actions | クラウド | SaaS | 2019年 |
| GitLab CI/CD | クラウド/セルフホスト | SaaS/OSS | 2015年 |
| CircleCI | クラウド | SaaS | 2011年 |
| AWS CodePipeline | クラウド | SaaS | 2015年 |
| Azure DevOps | クラウド | SaaS | 2018年 |
各ツールの詳細
Jenkins
業界で最も歴史があるCI/CDツールです。
Jenkins アーキテクチャ
┌──────────────┐
│ Jenkins │
│ Controller │
│ (マスター) │
└──────┬───────┘
│
┌────┴────┐
▼ ▼
┌─────┐ ┌─────┐
│Agent │ │Agent │
│ 1 │ │ 2 │
└─────┘ └─────┘
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 高いカスタマイズ性 | セットアップが複雑 |
| 豊富なプラグイン(1800+) | 運用・保守の負担が大きい |
| セルフホストで完全制御 | UIが古い |
| 大規模組織での実績豊富 | セキュリティパッチの適用 が必要 |
GitHub Actions
GitHubに統合されたCI/CDサービスです。
GitHub Actions アーキテクチャ
┌──────────────────────────┐
│ GitHub リポジトリ │
│ │
│ .github/workflows/ │
│ ├── ci.yml │
│ ├── cd.yml │
│ └── release.yml │
│ │
│ push/PR → ワークフロー発火 │
└──────────┬───────────────┘
│
┌──────┴──────┐
▼ ▼
┌───────┐ ┌───────┐
│Runner │ │Runner │
│(GitHub │ │(Self │
│Hosted) │ │Hosted) │
└───────┘ └───────┘
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| GitHubとのシームレスな統合 | GitHubに依存 |
| Marketplaceで豊富なアクション | 複雑なワークフローは管理しにく い |
| YAMLベースで学習コストが低い | セルフホストRunnerは自己管理 |
| パブリックリポジトリは無料 | 実行時間に制限あり |
GitLab CI/CD
GitLabに統合されたCI/CDサービスです。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| GitLabとの統合(オールインワン) | GitLabエコシステム前提 |
| Auto DevOpsで自動設定 | 学習コストがやや高い |
| セルフホスト版あり | Runnerの管理が必要 |
| セキュリティスキャン内蔵 | 高機能な分複雑 |
CircleCI
開発者体験に重点を置いたCI/CDサービスです。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 高速な実行環境 | 有料プランが必要になりやすい |
| Docker最適化 | GitHub/GitLab連携が必要 |
| 並列実行が得意 | 独自の設定形式 |
| SSHデバッグが可能 | ベンダーロックイン |
ツール比較マトリクス
| 観点 | Jenkins | GitHub Actions | GitLab CI | CircleCI |
|---|---|---|---|---|
| セットアップ容易性 | 低 | 高 | 中 | 高 |
| 学習コスト | 高 | 低 | 中 | 中 |
| GitHub連携 | プラグイン | ネイティブ | 連携可 | 連携可 |
| 拡張性 | 非常に高い | 高い | 高い | 中程度 |
| 運用負荷 | 高い | 低い | 中程度 | 低い |
| コスト(小規模) | 無料(サーバー代別) | 無料枠あり | 無料枠あり | 無料枠あり |
| エンタープライズ | 強い | 強い | 強い | 中程度 |
なぜGitHub Actionsを選ぶのか
今月のカリキュラムでGitHub Actionsを採用する理由を整理します。
選定理由
┌─────────────────────────────────────┐
│ チームの状況 │
│ │
│ - ソースコード管理: GitHub │
│ - チーム規模: 小〜中規模 │
│ - CI/CD経験: 初めて導入 │
│ - 予算: 限定的 │
│ │
│ ↓ 最適なツールは? │
│ │
│ ┌───────────────────────────┐ │
│ │ GitHub Actions │ │
│ │ │ │
│ │ 理由: │ │
│ │ 1. GitHubとネイティブ統合 │ │
│ │ 2. 設定がYAMLで簡単 │ │
│ │ 3. 無料枠で始められる │ │
│ │ 4. Marketplaceが充実 │ │
│ │ 5. 追加インフラ不要 │ │
│ └───────────────────────────┘ │
└─────────────────────────────────────┘
GitHub Actions の無料枠
| プラン | 月間利用枠 | ストレージ |
|---|---|---|
| Free | 2,000分/月 | 500MB |
| Team | 3,000分/月 | 2GB |
| Enterprise | 50,000分/月 | 50GB |
※パブリックリポジトリは無制限で無料
ツール選定のフレームワーク
実際のプロジェクトでCI/CDツールを選定する際のチェックポイントです。
| チェックポイント | 質問 |
|---|---|
| ソースコード管理 | どのGitホスティングを使っている? |
| チームスキル | チームのCI/CD経験レベルは? |
| 予算 | ツール費用にどれだけ投資できる? |
| カスタマイズ性 | 特殊なビルド要件はある? |
| コンプライアンス | セルフホストが必須か? |
| スケーラビリティ | 将来のチーム拡大を想定するか? |
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| Jenkins | 高いカスタマイズ性、 運用負荷も高い |
| GitHub Actions | GitHub統合、YAMLで簡単、無料枠あり |
| GitLab CI | オールインワン、Auto DevOps |
| 選定基準 | チームの状況・スキル・予算・要件に応じて選択 |
チェックリスト
- 4つの主要CI/CDツールの特徴を説明できる
- GitHub Actionsの長所・短所を把握した
- ツール選定時のチェックポイントを理解した
- 自チームに最適なツールを判断する基準を持てた
次のステップへ
次のセクションでは、CI/CDを成功させるためのベストプラクティスを学びます。 ツールだけでなく、チームの文化や運用ルールも重要な要素です。
推定読了時間: 20分