LESSON 15分

レビュー文化の構築

ストーリー

「ツールの使い方は分かった。でもな、レビュー文化が チームに根付いていないと、どんな良いツールも意味がない」

松本先輩が過去のプロジェクトの経験を話し始めた。

「以前いたチームでは、レビューが形骸化していた。 忙しいからとLGTMだけ付けてマージ。 結果、本番障害が月に3回。それで目が覚めたんだ」

「レビュー文化は一朝一夕にはできない。 でも、正しいルールと習慣を作れば、必ず定着する」


レビュー文化とは

レビュー文化とは、チーム全体がコードレビューを「面倒な作業」ではなく「価値ある投資」として捉え、日常的に実践している状態です。

健全なレビュー文化のチーム

┌─────────────────────────────────────┐
│  ・レビューは学習の機会             │
│  ・誰でもレビューを依頼できる       │
│  ・誰でもレビューを担当できる       │
│  ・フィードバックは建設的           │
│  ・レビュー時間がスケジュールに含まれる │
│  ・レビュー品質が評価される          │
└─────────────────────────────────────┘

レビュー文化を築くためのルール

1. レスポンスタイムのルール

推奨ルール:
├── レビュー依頼から24時間以内に初回レビュー
├── 修正依頼から8時間以内に再レビュー
├── ブロッカーの場合は即座に対応
└── 不在時は代理レビュアーを指名

2. PRのサイズルール

PRサイズ行数目安レビュー時間目安推奨
XS1-50行5-10分最適
S51-200行15-30分良い
M201-400行30-60分許容範囲
L401-800行1-2時間分割を検討
XL800行超2時間以上必ず分割

3. 承認ルール

チームの承認ポリシー例:

通常の変更:
  → 1人以上のApproveでマージ可能

重要な変更(API変更、DB移行など):
  → 2人以上のApproveが必要

緊急のホットフィックス:
  → 事後レビューを条件に1人のApproveでマージ可能
  → ただし24時間以内に追加レビューを実施

レビュー文化を阻害する要因と対策

阻害要因症状対策
時間がないレビューが後回しになるスプリント計画にレビュー時間を含める
心理的安全性の欠如指摘を恐れてLGTMだけ出すフィードバックの書き方をチームで統一
スキル差「自分がレビューしても......」と遠慮全員がレビューに参加するルールを作る
属人化特定の人にレビューが集中CODEOWNERS とローテーションの併用
大きすぎるPRレビューが追いつかないPRサイズの上限を設定

レビュー文化を育てる施策

レビュー勉強会

月に1回、過去のPRを題材にしたレビュー勉強会を開催します。

勉強会の流れ(1時間):
1. 題材となるPRの紹介(10分)
2. 各自でレビュー(15分)
3. レビューポイントの共有(20分)
4. 振り返りとルール改善(15分)

レビュー指標の可視化

チームダッシュボード例:

指標                  今月    先月    目標
──────────────────────────────────
平均レビュー時間       4h     8h     <4h
PRの平均サイズ        180行   350行   <200行
レビュー回数/人/週     5.2    3.1    >5
マージまでの平均時間   12h    28h    <24h
レビュー後のバグ発見率  2%     8%    <3%

感謝の文化

良いレビューをしてくれたレビュアーに感謝を伝える仕組みを作りましょう。

例:
- SlackでのKudos(称賛)チャンネル
- 月間ベストレビュアー表彰
- レビューで学んだことの共有会

まとめ

項目ポイント
レビュー文化の本質レビューを「価値ある投資」として全員が認識すること
基本ルールレスポンスタイム、PRサイズ、承認ポリシー
阻害要因への対策時間確保、心理的安全性、スキル差の克服
育てる施策勉強会、指標の可視化、感謝の文化

チェックリスト

  • レビュー文化が健全なチームの特徴を説明できる
  • レスポンスタイムとPRサイズのルールを理解した
  • レビュー文化を阻害する要因と対策を説明できる
  • レビュー文化を育てるための施策を提案できる

次のステップへ

Step 1 の最後は理解度チェックです。コードレビューの心得について、これまで学んだことを確認しましょう。


推定読了時間: 15分