環境変数とPATHを設定しよう
ストーリー
佐藤先輩のターミナルを覗くと、見慣れないコマンドが沢山ある。
「先輩、
llってコマンドは何ですか?gstとかgpとかも...」「ああ、全部エイリアスだよ。
llはls -laのショートカット。gstはgit status、gpはgit push」「自分でコマンドを作れるんですか?」
「
.bashrcを設定すれば、自分だけの環境を作れる。 毎日使うツールだからこそ、手に馴染む道具にカスタマイズするんだ」
環境変数の基本
環境変数とは、OSやシェルの動作を制御する「設定値」です。
環境変数の確認
bash
# 全ての環境変数を表示
env
# 特定の環境変数を表示
echo $HOME
echo $USER
echo $SHELL
echo $PATH
# printenv でも確認可能
printenv HOMEよく使う環境変数
| 変数 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
HOME | ホームディレクトリ | /home/tanaka |
USER | ユーザー名 | tanaka |
SHELL | 使用中のシェル | /bin/bash |
PATH | コマンド検索パス | /usr/local/bin:/usr/bin |
LANG | 言語設定 | ja_JP.UTF-8 |
EDITOR | デフォルトエディタ | vim |
TERM | ターミナルの種類 | xterm-256color |
環境変数の設定
bash
# 現在のシェルだけに設定 (一時的)
MY_VAR="hello"
echo $MY_VAR
# 子プロセスにも引き継ぐ(export)
export MY_VAR="hello"
# 変数の削除
unset MY_VARPATH -- コマンドの検索パス
PATH はシェルがコマンドを探す場所のリストです。:(コロン)で区切られています。
bash
echo $PATH
# /usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin
# コマンドの場所を確認
which node
# /usr/local/bin/node
which python3
# /usr/bin/python3
# 全ての候補を表示
type -a pythonPATH の追加
bash
# 末尾に追加(優先度低)
export PATH="$PATH:/new/path"
# 先頭に追加(優先度高)
export PATH="/new/path:$PATH"
# 実例: 自作スクリプトのディレクトリを追加
export PATH="$HOME/bin:$PATH".bashrc / .zshrc -- シェルの設定ファイル
ターミナルを開くたびに自動で読み込まれる設定ファイルです。
| ファイル | 対象シェル | 読み込みタイミング |
|---|---|---|
~/.bashrc | bash | 新しいターミナルを開くたび |
~/.bash_profile | bash | ログイン時 |
~/.zshrc | zsh | 新しいターミナルを開くたび |
~/.profile | 共通 | ログイン時 |
設定ファイルの編集
bash
# bash の場合
vim ~/.bashrc
# zsh の場合
vim ~/.zshrc
# 編集後、設定を反映
source ~/.bashrc
# または
source ~/.zshrc実用的な設定例
bash
# === 環境変数 ===
export EDITOR="vim"
export LANG="ja_JP.UTF-8"
export PATH="$HOME/bin:$PATH"
# === エイリアス ===
# 基本コマンドの改善
alias ll='ls -la'
alias la='ls -A'
alias ..='cd ..'
alias ...='cd ../..'
# Git ショートカット
alias gs='git status'
alias ga='git add'
alias gc='git commit'
alias gp='git push'
alias gl='git log --oneline --graph'
alias gd='git diff'
# 安全なファイル操作
alias rm='rm -i'
alias cp='cp -i'
alias mv='mv -i'
# よく使うディレクトリ
alias proj='cd ~/projects'
alias docs='cd ~/Documents'
# === 関数 ===
# ディレクトリ作成して移動
mkcd() {
mkdir -p "$1" && cd "$1"
}
# ポートを使っているプロセスを停止
killport() {
lsof -ti :$1 | xargs kill -9
}which / type -- コマンドの所在を調べる
bash
# コマンドの場所を表示
which node
# /usr/local/bin/node
# エイリアスも含めて表示
type ll
# ll is aliased to `ls -la'
type cd
# cd is a shell builtin
# 全ての候補を表示
type -a python
# python is /usr/bin/python
# python is /usr/local/bin/pythonまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 環境変数 | OS・シェルの設定値。export で設定 |
| PATH | コマンドの検索場所リスト |
| .bashrc / .zshrc | シェル起動時に自動読み込みされる設定ファイル |
| alias | コマンドのショートカット定義 |
| which / type | コマンドの所在確認 |
チェックリスト
- 環境変数の確認と設定ができる
- PATHの仕組みを理解し、パスを追加できる
- .bashrc / .zshrc にエイリアスを設定できる
- which / type でコマンドの所在を調べられる
次のステップへ
環境変数とシェルのカスタマイズを学びました。
次はStep 1の理解度チェックです。 ここまで学んだ上級コマンド、パイプ、プロセス管理、環境変数の知識を確認しましょう。
推定読了時間: 15分