簡単な手順書を書いてみよう
ストーリー
「手順書の読み方はわかったね。次は自分で書いてみよう」
「いきなり書けるか不安です...」
「最初は簡単な手順から始めよう。日常的にやっている作業を、誰かに教えるつもりで書いてみて」
手順書を書く基本ステップ
Step 1: 作業を実際にやりながらメモを取る
実行するコマンド・操作:
1. git pull origin main
2. npm install
3. npm run dev
4. ブラウザで localhost:3000 を開く
確認した結果:
- git pull: Already up to date.
- npm install: added 0 packages
- npm run dev: Server started on port 3000
- ブラウザ: トップページが表示された
Step 2: メモを手順書の形式に整える
markdown
# 開発環境起動手順書
## 概要
ローカル開発環境を起動するための手順です。
## 前提条件
- Node.js 18以上がインストールされていること
- プロジェクトがクローン済みであること
## 手順
### 1. 最新のコードを取得する
```bash
git pull origin main【確認】以下のようなメッセージが表示される
Already up to date.
または変更があった場合はファイル一覧が表示される
2. 依存パッケージをインストールする
bash
npm install【確認】エラーなく完了する
3. 開発サーバーを起動する
bash
npm run dev【確認】以下のメッセージが表示される
Server started on port 3000
4. ブラウザで動作確認する
ブラウザで http://localhost:3000 を開く
【確認】トップページが正常に表示される
完了確認
- 開発サーバーが起動している
- ブラウザでページが表示される
### Step 3: 他の人にレビューしてもらう
書いた手順書を他の人に見てもらい、フィードバックをもらいます。
確認ポイント:
- 前提条件は十分か?
- 手順は具体的か?
- 確認ポイントは適切か?
- 不足している情報はないか?
---
## 手順書テンプレート
以下のテンプレートを使って手順書を書きましょう。
```markdown
# [作業名] 手順書
## 概要
[この手順書で何ができるようになるか、1-2文で説明]
## 前提条件
- [条件1]
- [条件2]
- [条件3]
## 作業時間の目安
約[X]分
## 手順
### 1. [ステップのタイトル]
[説明文]
```bash
[実行するコマンド]
【確認】[期待される結果]
2. [ステップのタイトル]
[説明文]
[操作手順や設定内容]
【確認】[期待される結果]
3. [ステップのタイトル]
...
完了確認
- [確認項目1]
- [確認項目2]
- [確認項目3]
トラブルシューティング
[エラーメッセージや症状]
原因: [原因の説明] 対処: [対処方法]
関連ドキュメント
- [関連する手順書やドキュメントへのリンク]
---
## 手順書を書くときのコツ
### 1. 「初めての人」を想像して書く
NG: 「いつもの設定をする」 (書いた本人にしかわからない)
OK: 「config.json を開き、"environment" の値を "development" に変更する」 (誰でも同じ操作ができる)
### 2. スクリーンショットを活用する
GUI操作が含まれる場合は、スクリーンショットが有効です。
```markdown
### 3. AWSコンソールでインスタンスを起動する
1. EC2ダッシュボードを開く
2. 「インスタンスを起動」をクリック

3. インスタンス名を入力
...
3. 「なぜ」も書く(必要に応じて)
markdown
### 2. キャッシュをクリアする
```bash
npm cache clean --forceなぜ必要?: 古いキャッシュが原因で依存関係のエラーが発生することがあるため
### 4. コマンドの出力例を示す
```markdown
### 3. バージョンを確認する
```bash
node --version
出力例:
v18.17.0
※ バージョンは v18.0.0 以上であること
### 5. 危険な操作には警告を入れる
```markdown
### 5. データベースをリセットする
> ⚠️ **警告**: この操作ですべてのデータが削除されます。本番環境では絶対に実行しないでください。
```bash
npm run db:reset
---
## よくある失敗と改善
### 失敗1: 手順が抽象的すぎる
```markdown
❌ 悪い例:
1. 設定を変更する
2. サーバーを再起動する
✅ 良い例:
1. /etc/nginx/nginx.conf を開き、worker_processes を 4 に変更する
2. sudo systemctl restart nginx を実行する
失敗2: 確認ポイントがない
markdown
❌ 悪い例:
1. npm install を実行する
2. npm run build を実行する
✅ 良い例:
1. npm install を実行する
【確認】"added X packages" と表示され、エラーがないこと
2. npm run build を実行する
【確認】"Build completed successfully" と表示されること失敗3: 前提条件が不明確
markdown
❌ 悪い例:
## 前提条件
- 環境が整っていること
✅ 良い例:
## 前提条件
- Node.js 18.0.0 以上がインストールされていること(確認: node --version)
- npm 9.0.0 以上がインストールされていること(確認: npm --version)
- プロジェクトが ~/projects/myapp にクローン済みであること練習: 日常作業を手順書にしてみよう
以下のような日常作業を手順書にしてみましょう。
| 作業例 | 難易度 |
|---|---|
| PCの再起動手順 | 簡単 |
| Git でブランチを作成してPRを出す手順 | 普通 |
| プロジェクトのセットアップ手順 | 普通 |
| 本番環境へのデプロイ手順 | やや複雑 |
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 基本ステップ | 実際にやりながらメモ → 形式に整える → レビューしてもらう |
| テンプレート | 概要、前提条件、手順、確認、トラブルシューティング |
| コツ | 初めての人を想像、スクリーンショット、確認ポイント、警告 |
チェックリスト
- 手順書を書く3つのステップを理解した
- テンプレートの構成要素を理解した
- よくある失敗パターンと改善方法を理解した
次のステップへ
手順書の書き方の基本は理解できましたか?
次のセクションでは、プロジェクトの入り口となる「README」の書き方を学びます。 READMEは手順書とは少し違う目的を持つ重要なドキュメントです。
推定読了時間: 30分