LESSON 25分

ブロッカーを特定しよう

ストーリー

「タスクを進めようと思っても、どうしても進められないときがあります」

「それは『ブロッカー』に遭遇しているんだね」

「ブロッカー?」

「タスクの進行を妨げるもののことだよ。まずはブロッカーを特定できるようになろう」


ブロッカーとは

定義

ブロッカー = タスクの進行を妨げる障害物

自分の力だけでは解決できず、他者の助けや外部の変化が必要な状況。

ブロッカーの例

■ 技術的なブロッカー
- 環境構築ができない
- ライブラリのバグに遭遇した
- どう実装すればいいかわからない

■ 人・組織のブロッカー
- 仕様が決まっていない
- 他の人の作業待ち
- レビューが返ってこない
- 権限がない

■ リソースのブロッカー
- 必要なデータがない
- テスト環境が使えない
- ライセンスがない

ブロッカーと「難しいタスク」の違い

混同しやすいパターン

状況ブロッカー?
実装方法がわからない時間をかけて調べれば解決可能 → ブロッカーでない可能性あり
APIの仕様が不明で、担当者が休み自分では解決不可 → ブロッカー
コードが複雑で理解に時間がかかる難しいだけ → ブロッカーでない
権限がなくてデプロイできない自分では解決不可 → ブロッカー

判断の基準

質問: 自分で時間をかければ解決できるか?

Yes → 難しいタスク(頑張れば進む)
No  → ブロッカー(助けが必要)

よくあるブロッカーのパターン

パターン1: 情報不足

【症状】
- 仕様がわからない
- 要件が曖昧
- どちらにすべきか判断できない

【例】
「検索結果の並び順は、新着順?関連度順?仕様書に書いてない」

パターン2: 依存関係

【症状】
- 他の人の作業が完了しないと進めない
- 他チームの成果物が必要
- 外部サービスの対応待ち

【例】
「山田さんのAPI実装が終わらないと、フロントエンドのテストができない」

パターン3: 権限・環境

【症状】
- アクセス権がない
- 環境が使えない
- 承認が必要

【例】
「本番データベースへのアクセス権限がなく、調査できない」

パターン4: 技術的課題

【症状】
- バグの原因がわからない
- ライブラリが想定通りに動かない
- パフォーマンス問題が解決しない

【例】
「ライブラリのバグで、ドキュメント通りに実装しても動かない」

ブロッカーの特定方法

ステップ1: 何に困っているか言語化する

×「進まない」「詰まった」

○「APIのレスポンス形式がわからず、パース処理が書けない」
○「テスト環境が動いていないため、動作確認ができない」

ステップ2: 自分で解決できるか判断する

チェックリスト:
□ ドキュメントを調べれば解決する?
□ コードを読み込めば解決する?
□ もう少し時間をかければ解決する?

→ すべてNoなら、ブロッカーの可能性が高い

ステップ3: 何が必要かを明確にする

【必要なもの】
□ 〇〇さんからの情報
□ 〇〇の権限
□ 〇〇の完成
□ 〇〇についての判断

ブロッカーの記録方法

基本フォーマット

【タスク】ユーザー検索機能の実装

【ブロッカー】
- 内容: APIのレスポンス形式が仕様書と異なる
- 発生日時: 2026/02/03 10:30
- 影響: フロントエンドの実装が進められない

【必要なアクション】
- APIの正しい仕様を確認する
- 担当者: 山田さん(バックエンド)

【対応状況】
- 2/3 10:45 山田さんにSlackで質問
- 2/3 15:00 回答待ち中

カンバンボードでの表示

ブロッカーのあるタスクは別の色やラベルで表示:

┌─────────────────────────┐
│ ユーザー検索機能        │
│ [ブロック中]            │ ← 目立つラベル
│ 理由: API仕様確認待ち   │
└─────────────────────────┘

ブロッカーの早期発見

毎日の確認ポイント

朝の確認:
□ 今日進める予定のタスクにブロッカーはないか?
□ 他の人の作業待ちはないか?
□ 必要な情報は揃っているか?

夕方の確認:
□ 今日発生したブロッカーはあるか?
□ 解消されていないブロッカーはあるか?
□ 明日のブロッカーになりそうなものはあるか?

デイリースタンドアップでの共有

「昨日は検索機能の実装を進めました。
今日も続きを進める予定でしたが、
APIのレスポンス形式について確認が必要で、
現在ブロック中です。
山田さんに確認中で、回答を待っています」

ブロッカーを放置しない

放置のリスク

放置時間影響
数時間その日の進捗が遅れる
1日他のタスクにも影響が出始める
数日プロジェクト全体に影響
1週間以上スケジュール見直しが必要に

放置してしまう心理

×「もう少し待てば解決するかも」
×「自分で何とかできるかも」
×「忙しそうだから聞きづらい」
×「こんなことで助けを求めるのは恥ずかしい」

→ ブロッカーは早く報告・相談するのが正解


まとめ

ポイント内容
ブロッカーの定義自分では解決できない障害
よくあるパターン情報不足、依存関係、権限、技術的課題
特定の方法言語化 → 自分で解決可能か判断 → 必要なものを明確化
記録タスク、内容、影響、必要なアクションを記録
放置しない早めに報告・相談する

チェックリスト

  • ブロッカーと「難しいタスク」の違いを理解した
  • よくあるブロッカーのパターンを理解した
  • ブロッカーを言語化する方法を理解した
  • ブロッカーを放置しないことの重要性を理解した

次のステップへ

ブロッカーの特定方法がわかりました。

次のセクションでは、ブロッカーに遭遇したときに助けを求めるタイミングと方法を学びます。


推定読了時間: 25分