ブロッカーを特定しよう
ストーリー
「タスクを進めようと思っても、どうしても進められないときがあります」
「それは『ブロッカー』に遭遇しているんだね」
「ブロッカー?」
「タスクの進行を妨げるもののことだよ。まずはブロッカーを特定できるようになろう」
ブロッカーとは
定義
ブロッカー = タスクの進行を妨げる障害物
自分の力だけでは解決できず、他者の助けや外部の変化が必要な状況。
ブロッカーの例
■ 技術的なブロッカー
- 環境構築ができない
- ライブラリのバグに遭遇した
- どう実装すればいいかわからない
■ 人・組織のブロッカー
- 仕様が決まっていない
- 他の人の作業待ち
- レビューが返ってこない
- 権限がない
■ リソースのブロッカー
- 必要なデータがない
- テスト環境が使えない
- ラ イセンスがない
ブロッカーと「難しいタスク」の違い
混同しやすいパターン
| 状況 | ブロッカー? |
|---|---|
| 実装方法がわからない | 時間をかけて調べれば解決可能 → ブロッカーでない可能性あり |
| APIの仕様が不明で、担当者が休み | 自分では解決不可 → ブロッカー |
| コードが複雑で理解に時間がかかる | 難しいだけ → ブロッカーでない |
| 権限がなくてデプロイできない | 自分では解決不可 → ブロッカー |
判断の基準
質問: 自分で時間をかければ解決できるか?
Yes → 難しいタスク(頑 張れば進む)
No → ブロッカー(助けが必要)
よくあるブロッカーのパターン
パターン1: 情報不足
【症状】
- 仕様がわからない
- 要件が曖昧
- どちらにすべきか判断できない
【例】
「検索結果の並び順は、新着順?関連度順?仕様書に書いてない」
パターン2: 依存関係
【症状】
- 他の人の作業が完了しないと進めない
- 他チームの成果物が必要
- 外部サービスの対応待ち
【例】
「山田さんのAPI実装が終わらないと、フロントエンドのテストができない」
パターン3: 権限・環境
【症状】
- アクセス権がない
- 環境が使えない
- 承認が必要
【例】
「本番データベースへのアクセス権限がなく、調査できない」
パターン4: 技術的課題
【症状】
- バグの原因がわか らない
- ライブラリが想定通りに動かない
- パフォーマンス問題が解決しない
【例】
「ライブラリのバグで、ドキュメント通りに実装しても動かない」
ブロッカーの特定方法
ステップ1: 何に困っているか言語化する
×「進まない」「詰まった」
○「APIのレスポンス形式がわからず、パース処理が書けない」
○「テスト環境が動いていないため、動作確認ができない」
ステップ2: 自分で解決できるか判断する
チェックリスト:
□ ドキュメントを調べれば解決する?
□ コードを読み込めば解決する?
□ もう少し時間をかければ解決する?
→ すべてNoなら、ブロッカーの可能性が高い
ステップ3: 何が必要かを明確にする
【必要なもの】
□ 〇〇さんからの情報
□ 〇〇の権限
□ 〇〇の完成
□ 〇〇についての判断
ブロッカーの記録方法
基本フォーマット
【タスク】ユーザー検索機能の実装
【ブロッカー】
- 内容: APIのレスポンス形式が仕様書と異なる
- 発生日時: 2026/02/03 10:30
- 影響: フロントエンドの実装が進められない
【必要なアクション】
- APIの正しい仕様を確認する
- 担当者: 山田さん(バックエンド)
【対応状況】
- 2/3 10:45 山田さんにSlackで質問
- 2/3 15:00 回答待ち中
カンバンボードでの表示
ブロッカーのあるタスクは別の色やラベルで表示:
┌─────────────────────────┐
│ ユーザー検索機能 │
│ [ブロック中] │ ← 目立つラベル
│ 理由: API仕様確認待ち │
└─────────────────────────┘
ブロッカーの早期発見
毎日の確認ポイント
朝の確認:
□ 今日進める予定のタスクにブロッカーはないか?
□ 他の人の作業待ちはないか?
□ 必要な情報は揃っているか?
夕方の確認:
□ 今日発生したブロッカーはあるか?
□ 解消されていないブロッカーはあるか?
□ 明日のブロッカーになりそうなものはあるか?
デイリースタンドアップでの共有
「昨日は検索機能の実装を進めました。
今日も続きを進める予定でしたが、
APIのレスポンス形式について確認が必要で、
現在ブロック中です。
山田さんに確認中で、回答を待っています」
ブロッカーを放置しない
放置のリスク
| 放置時間 | 影響 |
|---|---|
| 数時間 | その日の進捗が遅れる |
| 1日 | 他のタスクにも影響が出始める |
| 数日 | プロジェクト全体に影響 |
| 1週間以上 | スケジュール見直しが必要に |
放置してしまう心理
×「もう少し待てば解決するかも」
×「自分で何とかできるかも」
×「忙しそうだから聞きづらい」
×「こんなことで助けを求めるのは恥ずかしい」
→ ブロッカーは早く報告・相談するのが正解
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ブロッカーの定義 | 自分では解決できない障害 |
| よくあるパターン | 情報不足、依存関係、権限、技術的課題 |
| 特定の方法 | 言語化 → 自分で解決可能か判断 → 必要なものを明確化 |
| 記録 | タスク、内容、影響、必要なアクションを記録 |
| 放置しない | 早めに報告・相談する |
チェックリスト
- ブロッカーと「難しいタスク」の違いを理解した
- よくあるブロッカーのパターンを理解した
- ブロッカーを言語化する方法を理解した
- ブロッカーを放置しないことの重要性を理解した
次のステップへ
ブロッカーの特定方法がわかりました。
次のセクションでは、ブロッカーに遭遇したときに助けを求めるタイミングと方法を学びます。
推定読了時間: 25分