LESSON 30分

エスカレーションとは

ストーリー

「田中さん、大変です!本番環境でエラーが出ているみたいです!」

「落ち着いて。それ、エスカレーションが必要な案件だね。マネージャーの佐藤さんにも報告しよう」

「エスカレーション...?」

「自分やチームだけでは判断できない問題を、上位の人に報告することだよ。これはとても大事なスキルなんだ」


エスカレーションの定義

エスカレーション とは、自分の権限や能力では対応できない問題を、上位者(上司・マネージャーなど)に報告・相談することです。

エスカレーションと相談の違い

項目相談エスカレーション
対象日常的な疑問や判断自分では対応できない重大な問題
緊急度低〜中中〜高
相手先輩、同僚上司、マネージャー
「このコードの書き方は?」「本番環境でデータが消えた」

どんなときにエスカレーションするか

エスカレーションが必要な場面

場面具体例
本番環境の障害サービスが停止した、データが消えた
セキュリティ問題不正アクセスの疑い、情報漏洩の可能性
顧客からのクレームお客様から重大な苦情が来た
期限に間に合わない重要なリリースが遅れそう
自分の権限を超える判断仕様変更の承認、予算の決定
チーム内の問題メンバー間のトラブル

エスカレーションしなくてよい場面

場面対処
自分で調べて解決できる問題自分で解決
先輩に聞けば解決する問題先輩に相談
緊急性が低い改善提案定例ミーティングで共有

エスカレーションの流れ

問題発生
    │
    ├── 1. 状況を確認する(1〜5分)
    │   → 何が起きているか把握
    │
    ├── 2. 影響範囲を確認する
    │   → 誰に影響するか、どのくらい重大か
    │
    ├── 3. 上位者に報告する
    │   → 事実を簡潔に伝える
    │
    ├── 4. 指示を仰ぐ
    │   → どう対応すべきか聞く
    │
    └── 5. 指示に従い行動する
        → 進捗をこまめに報告

エスカレーションの伝え方

テンプレート

【緊急報告】[問題の概要]

■ 発生日時: YYYY/MM/DD HH:MM
■ 状況: [何が起きているか]
■ 影響範囲: [誰に影響するか]
■ 原因: [わかっていれば / 調査中]
■ 現在の対応: [何をしているか]
■ 判断を仰ぎたいこと: [何を決めてほしいか]

具体例

【緊急報告】本番環境のログイン機能でエラー発生

■ 発生日時: 2025/04/10 14:30
■ 状況: ユーザーがログインできない状態が続いています
■ 影響範囲: 全ユーザー(推定1000人以上)
■ 原因: 調査中(データベース接続エラーの可能性)
■ 現在の対応: エラーログを確認中です
■ 判断を仰ぎたいこと:
  - メンテナンスモードに切り替えるべきでしょうか?
  - お客様への告知は必要でしょうか?

エスカレーションでやってはいけないこと

NG 1: 報告が遅い

× 「問題に気づいたけど、自分で解決しようとして2時間経過...」
  → 2時間の間にユーザーが困り続ける

○ 状況を確認したら、すぐに上位者に報告
  → 対策を早く打てる

NG 2: 事実と推測を混ぜる

× 「たぶんハッキングされたと思います」
  → パニックを引き起こす可能性

○ 「不審なアクセスログを発見しました。
    原因はまだ調査中です」
  → 事実のみを伝え、冷静に対応

NG 3: 責任の押し付け

× 「佐藤さんのコードが原因です」
  → 責任追及は解決に役立たない

○ 「先週リリースした機能に問題がある可能性があります」
  → 事実ベースで伝える

新人のエスカレーション判断基準

新人の場合、以下に当てはまったらすぐにエスカレーションしましょう。

□ 本番環境に影響がありそう
□ セキュリティに関わりそう
□ 顧客に影響がありそう
□ 自分の判断で進めてよいかわからない
□ 「これ、大丈夫かな...」と不安を感じた

→ 1つでも当てはまったら、まず先輩に報告!

新人は 「報告しすぎ」が正解 です。 報告して「大丈夫だよ」と言われるほうが、報告しなくて大問題になるよりはるかに良いです。


まとめ

ポイント内容
エスカレーションとは自分では対応できない問題を上位者に報告すること
必要な場面本番障害、セキュリティ、顧客影響、期限遅れ
伝え方事実を簡潔に、影響範囲と判断を仰ぎたいことを明確に
鉄則早く報告、事実のみ伝える、責任追及しない
  • エスカレーションの意味と必要な場面を理解した
  • いつ相談すべきか判断できるようになる

次のステップへ

エスカレーションの基本がわかりましたね。

次のセクションでは、「いつ相談すべきか」の判断基準をもう少し詳しく学びます。


推定読了時間: 30分