LESSON 30分

DNSとは何か

ストーリー

「先輩、ブラウザに www.google.com って入力すると Google が開きますよね。でもコンピュータはIPアドレスで通信するんですよね?」

「そう!そこで活躍するのが DNS なんだ」

「DNS...?」

「インターネットの電話帳みたいなものだよ。名前からIPアドレスを調べてくれるんだ」


DNSとは

一言で言うと

ドメイン名(名前)をIPアドレス(番号)に変換する仕組み

DNS = Domain Name System

電話帳の例え

電話帳:    「田中太郎」  → 090-xxxx-xxxx
DNS:      「google.com」 → 142.250.196.99
  • 人間は 名前 で覚える(google.com)
  • コンピュータは 番号 で通信する(142.250.196.99)
  • DNSがその変換を行う

なぜDNSが必要なのか

もしDNSがなかったら

IPアドレスで直接アクセスする必要がある:

Google:    142.250.196.99
YouTube:   142.250.196.110
Twitter:   104.244.42.129
Amazon:    52.94.236.248

数字を覚えるのは大変ですよね。

DNSがあるから

名前で覚えればOK:

google.com   → DNSが 142.250.196.99 に変換
youtube.com  → DNSが 142.250.196.110 に変換
twitter.com  → DNSが 104.244.42.129 に変換
amazon.co.jp → DNSが 52.94.236.248 に変換

ドメイン名の構造

基本構造

www.example.com
 │    │      │
 │    │      └── TLD(トップレベルドメイン)
 │    └───────── ドメイン名(セカンドレベル)
 └────────────── サブドメイン

TLD(トップレベルドメイン)の種類

TLD用途
.com商用(最も一般的)
.org組織
.netネットワーク
.jp日本
.co.jp日本の企業
.dev開発者
.ioテック系(元はイギリス領インド洋地域)

ドメイン名の読み方

ドメイン名は 右から左 に読みます。

mail.google.com
           │
           └── .com(TLD)
      │
      └──── google(ドメイン名)
│
└──────── mail(サブドメイン)

これは階層構造になっています:

.(ルート)
└── com
    └── google
        ├── www
        ├── mail
        └── maps

DNSサーバーの種類

DNSの仕組みには、いくつかの種類のサーバーが関わっています。

DNSリゾルバ(キャッシュDNSサーバー)

あなたのPCが最初に問い合わせるサーバー。

  • ISP(プロバイダ)が提供していることが多い
  • 過去の問い合わせ結果をキャッシュ(一時保存)している

ルートDNSサーバー

DNSの最上位のサーバー。世界に13系統(複数台で冗長化)。

TLDサーバー

.com.jp など、トップレベルドメインを管理するサーバー。

権威DNSサーバー

特定のドメイン(例: google.com)の情報を管理するサーバー。最終的な「正解」を持っています。


DNSのキャッシュ

DNSの問い合わせは頻繁に行われるため、結果をキャッシュ(一時保存)します。

キャッシュの場所

1. ブラウザのキャッシュ      → 最初にここを確認
2. OSのキャッシュ            → 次にここを確認
3. DNSリゾルバのキャッシュ   → 次にここを確認
4. 見つからなければ実際に問い合わせ

TTL(Time To Live)

キャッシュの有効期限。この時間が過ぎるとキャッシュが破棄され、再度問い合わせが行われます。

google.com の TTL = 300秒(5分)
→ 5分間はキャッシュを使い回す
→ 5分後に再度DNSに問い合わせる

/etc/hosts ファイル

DNS以前からある、名前とIPアドレスの対応表です。

bash
# /etc/hosts の例
127.0.0.1    localhost
192.168.1.100  myserver
  • OSはDNSサーバーに問い合わせる前に /etc/hosts を確認する
  • 開発環境でよく使われる(例: localhost の設定)

まとめ

ポイント内容
DNSドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み
ドメイン構造サブドメイン.ドメイン.TLD(右から読む)
DNSサーバーリゾルバ、ルート、TLD、権威の4種類
キャッシュ問い合わせ結果を一時保存して高速化

チェックリスト

  • DNSの役割(名前→IPアドレスの変換)を理解した
  • ドメイン名の構造(TLD、サブドメイン)を理解した
  • DNSサーバーの種類を知っている
  • キャッシュとTTLの仕組みを理解した

次のステップへ

DNSの基本が分かりましたね。

次のセクションでは、実際にDNSの 名前解決がどのような順番で行われるのか を詳しく見ていきます。


推定読了時間: 30分