LESSON 30分

IPv6と未来のネットワーク

ストーリー

「先輩、IPv4アドレスが足りなくなってるって聞いたんですが、どうするんですか?」

「NATでしのいでいる部分もあるけど、根本的な解決策がIPv6なんだ」

「IPv6?」

「IPv4の後継バージョンだよ。アドレスの数がケタ違いに多いんだ」


IPv6が必要な理由

IPv4の限界

IPv4アドレス数: 約43億個(2^32)
世界の人口:    約80億人
IoT機器数:     数百億台(増加中)

1人1台のスマホだけでも足りない。さらにスマート家電、自動車、センサーなど、インターネットに接続する機器は爆発的に増えています。

IPv6の解決策

IPv6アドレス数: 約340澗個(2^128)
             = 340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456個

これは地球上の砂粒すべてにIPアドレスを割り当てても余る数です。


IPv6アドレスの形式

基本形式

2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
  • 8グループ をコロン(:)で区切る
  • 各グループは 16進数4桁(0000〜ffff)
  • 合計 128ビット

IPv4との比較

項目IPv4IPv6
ビット数32ビット128ビット
表記10進数(192.168.1.1)16進数(2001:db8::1)
アドレス数約43億約340澗
区切りドット(.)コロン(:)

省略ルール

IPv6は長いので、省略ルールがあります。

元: 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001
↓ 先頭の0を省略
    2001:db8:0:0:0:0:0:1
↓ 連続する0のグループを :: で省略(1回だけ)
    2001:db8::1

よく見るIPv6アドレス

アドレス意味
::1ループバック(IPv4の127.0.0.1に相当)
fe80:: で始まるリンクローカルアドレス(LAN内のみ)
2001: で始まるグローバルユニキャストアドレス(インターネット用)

IPv6の特徴

NATが不要

IPv6はアドレスが十分にあるため、すべての機器にグローバルアドレスを割り当てられます。

IPv4: [PC] → NAT → [インターネット]  (アドレスを共有)
IPv6: [PC] → [インターネット]         (直接接続)

自動設定が簡単

IPv6にはアドレスの自動設定機能(SLAAC)が組み込まれています。DHCPサーバーなしでもアドレスが自動的に設定されます。

セキュリティの向上

IPv6ではIPsec(暗号化通信)が標準サポートされています。


IPv6の普及状況

現在の普及率

  • Googleへのアクセスの約40%以上がIPv6
  • 日本の普及率は約50%
  • モバイル回線はIPv6対応が進んでいる

IPv4とIPv6の共存

現在は両方が同時に使われている移行期です。

[あなたのPC]
  ├── IPv4: 192.168.1.10
  └── IPv6: 2001:db8::10

Webサイトにアクセスするとき:
  → IPv6が使えるならIPv6で接続
  → IPv6が使えなければIPv4で接続

この両方のアドレスを持つことを デュアルスタック と言います。


IPv6の確認方法

Linux / Mac

bash
ip -6 addr show         # IPv6アドレスを表示(Linux)
ifconfig | grep inet6    # IPv6アドレスを表示(Mac)

接続テスト

bash
ping6 ::1               # IPv6のループバックにping(Linux)
ping -6 ::1             # IPv6のループバックにping(一部のシステム)

今の段階で覚えておくこと

IPv6の詳細はL1以降で深く学びます。今は以下の3点だけ覚えておけばOKです。

  1. IPv6はIPv4の後継 で、アドレス数がほぼ無限
  2. 形式が違う:コロン区切りの16進数8グループ
  3. 現在は移行期 で、IPv4とIPv6が共存している

まとめ

ポイント内容
IPv6が必要な理由IPv4アドレス(約43億個)の枯渇
IPv6の形式16進数8グループ、128ビット
アドレス数約340澗個(事実上無限)
普及状況IPv4とIPv6が共存する移行期

チェックリスト

  • IPv6が必要な理由を説明できる
  • IPv6アドレスの形式を知っている
  • IPv4とIPv6の違いを簡単に説明できる
  • 現在がIPv4/IPv6の共存期であると理解した

次のステップへ

IPv4とIPv6の基本が分かりましたね。

次は演習です。実際にコマンドを使って、自分のIPアドレスを調べたり、他のコンピュータと通信できるか確認してみましょう。


推定読了時間: 30分