IPv6と未来のネットワーク
ストーリー
「先輩、IPv4アドレスが足りなくなってるって聞いたんですが、どうするんですか?」
「NATでしのいでいる部分もあるけど、根本的な解決策がIPv6なんだ」
「IPv6?」
「IPv4の後継バージョンだよ。アドレスの数がケタ違いに多いんだ」
IPv6が必要な理由
IPv4の限界
IPv4アドレス数: 約43億個(2^32)
世界の人口: 約80億人
IoT機器数: 数百億台(増加中)
1人1台のスマホだけでも足りない。さらにスマート家電、自動車、センサーなど、インターネットに接続する機器は爆発的に増えています。
IPv6の解決策
IPv6アドレス数: 約340澗個(2^128)
= 340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456個
これは地球上の砂粒すべてにIPアドレスを割り当てても余る数です。
IPv6アドレスの形式
基本形式
2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
- 8グループ をコロン(:)で区切る
- 各グループは 16進数4桁(0000〜ffff)
- 合計 128ビット
IPv4との比較
| 項目 | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| ビット数 | 32ビット | 128ビット |
| 表記 | 10進数(192.168.1.1) | 16進数(2001:db8::1 ) |
| アドレス数 | 約43億 | 約340澗 |
| 区切り | ドット(.) | コロン(:) |
省略ルール
IPv6は長いので、省略ルールがあります。
元: 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001
↓ 先頭の0を省略
2001:db8:0:0:0:0:0:1
↓ 連続する0のグループを :: で省略(1回だけ)
2001:db8::1
よく見るIPv6アドレス
| アドレス | 意味 |
|---|---|
::1 | ループバック(IPv4の127.0.0.1に相当) |
fe80:: で始まる | リンクローカルアドレス(LAN内のみ) |
2001: で始まる | グローバルユニキャストアドレス(インターネット用) |
IPv6の特徴
NATが不要
IPv6はアドレスが十分にあるため、すべての機器にグローバルアドレスを割り当てられます。
IPv4: [PC] → NAT → [インターネット] (アドレスを共有)
IPv6: [PC] → [インターネット] (直接接続)
自動設定が簡単
IPv6にはアドレスの自動設定機能(SLAAC)が組み込まれています。DHCPサーバーなしでもアドレスが自動的に設定されます。
セキュリティの向上
IPv6ではIPsec(暗号化通信)が標準サポートされています。
IPv6の普及状況
現在の普及率
- Googleへのアクセスの約40%以上がIPv6
- 日本の普及率は約50%
- モバイル回線はIPv6対応が進んでいる
IPv4とIPv6の共存
現在は両方が同時に使われている移行期です。
[あなたのPC]
├── IPv4: 192.168.1.10
└── IPv6: 2001:db8::10
Webサイトにアクセスするとき:
→ IPv6が使えるならIPv6で接続
→ IPv6が使えなければIPv4で接続
この両方のアドレスを持つことを デュアルスタック と言います。
IPv6の確認方法
Linux / Mac
bash
ip -6 addr show # IPv6アドレスを表示(Linux)
ifconfig | grep inet6 # IPv6アドレスを表示(Mac)接続テスト
bash
ping6 ::1 # IPv6のループバックにping(Linux)
ping -6 ::1 # IPv6のループバックにping(一部のシステム)今の段階で覚えておくこと
IPv6の詳細はL1以降で深く学びます。今は以下の3点だけ覚えておけばOKです。
- IPv6はIPv4の後継 で、アドレス数がほぼ無限
- 形式が違う:コロン区切りの16進数8グループ
- 現在は移行期 で、IPv4とIPv6が共存している
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| IPv6が必要な理由 | IPv4アドレス(約43億個)の枯渇 |
| IPv6の形式 | 16進数8グループ、128ビット |
| アドレス数 | 約340澗個(事実上無限) |
| 普及状況 | IPv4とIPv6が共存する移行期 |
チェックリスト
- IPv6が必要な理由を説明できる
- IPv6アドレスの形式を知っている
- IPv4とIPv6の違いを簡単に説明できる
- 現在がIPv4/IPv6の共存期であると理解した
次のステップへ
IPv4とIPv6の基本が分かりましたね。
次は演習です。実際にコマンドを使って、自分のIPアドレス を調べたり、他のコンピュータと通信できるか確認してみましょう。
推定読了時間: 30分