LESSON 30分

サブネットとプライベートIP

ストーリー

「先輩、ネットワーク部とホスト部の境界はどうやって決まるんですか?」

「それを決めるのがサブネットマスクだよ」

「サブネットマスク...聞いたことはあります」

「あとプライベートIPっていう特別な範囲もあるんだ。実はよく使ってるよ」


サブネットマスクとは

一言で言うと

IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を示す値

仕組み

IPアドレス:      192.168.1.100
サブネットマスク:  255.255.255.0
                 ├─────────┤ ├┤
                 ネットワーク   ホスト

サブネットマスクの「255」の部分がネットワーク部、「0」の部分がホスト部です。

2進数で見ると

サブネットマスク: 255.255.255.0
2進数:          11111111.11111111.11111111.00000000
                ├────── 1の部分 ──────┤├ 0の部分 ┤
                ネットワーク部(24ビット)  ホスト部(8ビット)
  • 1が続く部分 = ネットワーク部
  • 0が続く部分 = ホスト部

CIDR表記

サブネットマスクをスラッシュと数字で表す書き方を CIDR(サイダー)表記 と言います。

192.168.1.0/24
             └── ネットワーク部が24ビット

よく使うCIDR

CIDRサブネットマスクホスト数用途
/8255.0.0.0約1670万大規模ネットワーク
/16255.255.0.0約65,000中規模ネットワーク
/24255.255.255.0254小規模ネットワーク(家庭・小規模オフィス)
/32255.255.255.2551特定のホスト1台

なぜ/24で254台なのか

ホスト部 = 8ビット = 256通り(0〜255)
- 0: ネットワークアドレス(使用不可)
- 255: ブロードキャストアドレス(使用不可)
= 254台が使用可能

サブネットの役割

なぜサブネットに分けるのか

大きなネットワークを小さく分割して、管理しやすくします。

分割前:
[全社員1000台が1つのネットワーク] ← 管理が大変、通信が混雑

分割後:
[営業部 /24]  ← 254台まで
[開発部 /24]  ← 254台まで
[総務部 /24]  ← 254台まで
[経理部 /24]  ← 254台まで

部署ごとにサブネットを分けることで:

  • 通信が分離される(混雑軽減)
  • セキュリティを部署単位で管理できる
  • トラブルの影響範囲を限定できる

プライベートIPアドレス

インターネット上では使えない、LAN内専用 のIPアドレス範囲です。

プライベートIPの3つの範囲

クラス範囲CIDR用途
クラスA10.0.0.0 〜 10.255.255.25510.0.0.0/8大企業、クラウド(AWS VPCなど)
クラスB172.16.0.0 〜 172.31.255.255172.16.0.0/12中規模企業
クラスC192.168.0.0 〜 192.168.255.255192.168.0.0/16家庭、小規模オフィス

家庭でよく見るIPアドレス

ルーター:  192.168.1.1    または  192.168.0.1
PC:       192.168.1.10
スマホ:    192.168.1.11

192.168.x.x で始まるアドレスは、すべてプライベートIPアドレスです。


NAT(Network Address Translation)

プライベートIPだけではインターネットに接続できません。そこで NAT が登場します。

NATの仕組み

[PC: 192.168.1.10] ──リクエスト──> [ルーター] ──変換──> [インターネット]
  プライベートIP                   NAT変換          グローバルIP: 203.0.113.1
  1. PCがプライベートIP(192.168.1.10)でリクエストを送る
  2. ルーターがグローバルIP(203.0.113.1)に変換してインターネットに送る
  3. レスポンスが返ってきたら、ルーターがプライベートIPに戻してPCに届ける

マンションの例え

部屋番号(101号室、102号室)→ プライベートIP
マンションの住所            → グローバルIP

外部からの荷物は「マンションの住所」宛てに届き、
管理人(ルーター)が「101号室」に届ける

NATのメリット

  • 1つのグローバルIPを複数の機器で共有できる
  • IPv4アドレスの枯渇対策になる
  • LAN内の機器を外部から直接アクセスされにくい(セキュリティ)

まとめ

ポイント内容
サブネットマスクネットワーク部とホスト部の境界を決める
CIDR表記/24 のようにビット数で表記(/24 = 254台)
プライベートIPLAN内専用のアドレス(192.168.x.x など)
NATプライベートIPとグローバルIPを変換する仕組み

チェックリスト

  • サブネットマスクの役割を理解した
  • CIDR表記(/24 など)の意味が分かる
  • プライベートIPの3つの範囲を知っている
  • NATの仕組みを説明できる

次のステップへ

サブネットとプライベートIPが理解できましたね。

次のセクションでは、IPv4の後継である IPv6 について学びます。なぜ新しいアドレス体系が必要なのか、見ていきましょう。


推定読了時間: 30分