ストーリー
田
田中VPoE
「ビジネスケースが完成した。次は、これを経営層に伝えるプレゼンテーションの設計だ。どんなに優れたビジネスケースも、伝え方が悪ければ承認されない。」
あなた
「ビジネスケースをそのまま発表すればよいのでは?」
あ
田
田中VPoE
「ビジネスケースは詳細な分析ドキュメントであり、プレゼンとは目的が違う。プレゼンは限られた時間で意思決定を引き出すもの。経営層の関心事に焦点を絞り、ストーリーとして伝える技術が必要だ。」
経営層プレゼンの基本原則
3つの原則
| 原則 | 説明 | 実践 |
|---|
| 結論ファースト | 最初に結論と要求を述べる | 「9,300万円の投資で年間2.3億円の削減が見込めます」 |
| 数字で語る | 定性的な表現を避け定量化する | 「大幅な改善」→「処理時間70%短縮」 |
| 判断材料を提供 | 経営層が判断できる情報を過不足なく | リスクも含めた情報提供 |
経営層の関心事マトリクス
| CxO | 最大の関心事 | 刺さるメッセージ |
|---|
| CEO | 競争優位性、成長戦略 | 「競合に先駆けてAI活用で顧客体験を差別化」 |
| CFO | ROI、リスク、投資回収 | 「ROI 270%、最悪ケースでもROI 25%」 |
| COO | 業務効率、品質 | 「処理時間70%短縮、一次解決率55%→80%」 |
| CTO | 技術的実現性、アーキテクチャ | 「PoC済み、精度96.5%、スケーラブルな構成」 |
プレゼン構成(15分版)
ピラミッドストラクチャー
┌──────────────────┐
│ 結論(1分) │
│ 投資承認の要請 │
├──────────────────┤
┌───┤ 3つの根拠(9分) ├───┐
│ └──────────────────┘ │
┌───┴───┐ ┌───────┐ ┌───┴───┐
│ なぜ今 │ │ 効果 │ │ 実現性 │
│ (3分)│ │(3分)│ │(3分) │
└───────┘ └───────┘ └───────┘
┌──────────────────┐
│ リスクと対策(3分)│
├──────────────────┤
│ 要請(2分) │
└──────────────────┘
スライド構成
| # | スライド | 内容 | 時間 |
|---|
| 1 | タイトル&結論 | 提案の要約と投資額 | 1分 |
| 2 | なぜ今なのか | 現状課題、競合動向、放置リスク | 3分 |
| 3 | 解決策 | AI導入の概要、PoC結果 | 2分 |
| 4 | 財務効果 | ROI、NPV、回収期間 | 2分 |
| 5 | シナリオ分析 | 悲観〜楽観のROI範囲 | 1分 |
| 6 | リスクと対策 | 主要リスク3つと対策 | 2分 |
| 7 | 実行計画 | スケジュール、マイルストーン | 2分 |
| 8 | 要請 | 承認事項、次のアクション | 2分 |
スライドデザインの原則
1スライド1メッセージ
| 悪い例 | 良い例 |
|---|
| 1枚のスライドに5つのポイント | 1枚に1つの明確なメッセージ |
| テキストだらけ | キーメッセージ + 図表 |
| 「AI導入の効果は多岐にわたり…」 | 「年間2.3億円のコスト削減」 |
メッセージラインの作り方
スライド2: 現状のCS運用には年間7.2億円のコストと顧客離反リスクがある
↓
スライド3: AIチャットボットでこの課題を解決できる(PoC実証済み)
↓
スライド4: 投資9,300万円で年間2.3億円の純効果、ROI 270%
↓
スライド5: 最悪ケースでもROIはプラス
↓
スライド6: リスクは特定済みで対策も準備完了
↓
スライド7: 3ヶ月のパイロットで検証可能
↓
スライド8: 9,300万円の予算承認を要請
Q&A対策
想定質問と回答準備
| 想定質問 | 回答のポイント |
|---|
| 「本当にこの精度は維持できるのか?」 | PoC結果の再現性データ、継続的モニタリング体制 |
| 「人員削減は避けられないのか?」 | 再配置計画、新たな高付加価値業務への移行 |
| 「競合はどうしているのか?」 | 業界動向データ、先行者優位の根拠 |
| 「失敗したらどうするのか?」 | 撤退基準、ロールバック計画、段階的投資 |
| 「なぜこのベンダーなのか?」 | 選定基準、比較評価結果 |
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|
| 結論ファースト | 冒頭で結論と要請を明確に述べる |
| ピラミッド構造 | 結論→根拠→リスク→要請の論理構成 |
| 1スライド1メッセージ | 情報を絞り、明確なメッセージラインを作る |
| Q&A準備 | 想定質問への回答を事前に準備する |
チェックリスト
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次は「ストーリーテリング」として、データと論理を感情に訴えるストーリーで包む手法を学ぼう。
推定読了時間: 30分