EXERCISE 60分

ストーリー

田中VPoE
「ここまでプロセスマイニング、ボトルネック分析、文書化の手法を学んだ。実際にNetShop社の問い合わせ対応プロセスについてAs-Is分析を行ってみよう。」
あなた
「請求書処理は例で学んだので、問い合わせ対応を自分でやってみます。」
田中VPoE
「その意気だ。以下の前提情報を使って、ボトルネックの特定からAs-Is文書の作成までを一気通貫でやってくれ。」

ミッション概要

項目内容
演習タイトルNetShop社 問い合わせ対応プロセスのAs-Is分析
想定時間60分
成果物As-Is分析レポート(BPMNフロー + ボトルネック分析 + RACIマトリクス)

前提条件

問い合わせ対応の現状

対応チャネル:
  電話: 40%(月12,000件)
  メール: 35%(月10,500件)
  チャット: 25%(月7,500件)

対応体制:
  一次対応チーム: 30名(契約社員含む)
  二次対応チーム: 12名(専門スタッフ)
  チームリーダー: 3名
  マネージャー: 1名

対応時間:
  営業時間: 9:00-18:00(電話)、9:00-21:00(メール・チャット)
  平均初回応答時間: 電話3分、メール4時間、チャット5分
  平均解決時間: 電話15分、メール1.5日、チャット20分
  一次解決率: 55%

イベントログ(抜粋)

ケースID    | アクティビティ      | タイムスタンプ         | リソース    | チャネル | カテゴリ
CS-0001    | 問い合わせ受付      | 2025-01-15 10:05:00  | 自動振分    | 電話     | 返品
CS-0001    | 一次対応開始        | 2025-01-15 10:08:00  | 一次A01    | 電話     | 返品
CS-0001    | FAQ検索            | 2025-01-15 10:10:00  | 一次A01    | 電話     | 返品
CS-0001    | 回答・解決          | 2025-01-15 10:18:00  | 一次A01    | 電話     | 返品
CS-0001    | 対応記録入力        | 2025-01-15 10:25:00  | 一次A01    | 電話     | 返品

CS-0002    | 問い合わせ受付      | 2025-01-15 10:12:00  | 自動振分    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 一次対応開始        | 2025-01-15 14:30:00  | 一次B03    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 回答(テンプレート)  | 2025-01-15 14:45:00  | 一次B03    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 顧客再問い合わせ     | 2025-01-16 09:20:00  | -          | メール   | 商品不良
CS-0002    | エスカレーション     | 2025-01-16 09:45:00  | 一次B03    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 二次対応開始        | 2025-01-16 13:00:00  | 二次S02    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 調査(物流部門問合せ)| 2025-01-16 15:30:00  | 二次S02    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 回答・解決          | 2025-01-17 10:15:00  | 二次S02    | メール   | 商品不良
CS-0002    | 対応記録入力        | 2025-01-17 10:30:00  | 二次S02    | メール   | 商品不良

CS-0003    | 問い合わせ受付      | 2025-01-15 10:30:00  | 自動振分    | チャット | 配送状況
CS-0003    | 一次対応開始        | 2025-01-15 10:35:00  | 一次C02    | チャット | 配送状況
CS-0003    | システム照会        | 2025-01-15 10:37:00  | 一次C02    | チャット | 配送状況
CS-0003    | 回答・解決          | 2025-01-15 10:42:00  | 一次C02    | チャット | 配送状況
CS-0003    | 対応記録入力        | 2025-01-15 10:48:00  | 一次C02    | チャット | 配送状況

カテゴリ別の問い合わせ分布

カテゴリ割合一次解決率平均対応時間
配送状況確認30%85%10分
返品・交換20%60%25分
商品に関する質問18%70%15分
商品不良・クレーム12%20%2時間
注文変更・キャンセル10%50%20分
その他10%40%30分

Mission 1: プロセスフローの作成

要件

前提情報をもとに、問い合わせ対応プロセスのBPMN形式のフローを作成してください。

  1. レーン: 顧客、一次対応、二次対応、他部門、システム
  2. ゲートウェイ: チャネル判定、一次解決可否、エスカレーション判断
  3. 正常系と異常系 の両方を含めること
解答例
[レーン: 顧客]
  (開始: 問い合わせ) → <チャネル?>
    ├── 電話  → [電話受付]
    ├── メール → [メール受付]
    └── チャット → [チャット受付]

[レーン: システム]
  [自動振分(カテゴリ判定)] → [担当者アサイン]

[レーン: 一次対応]
  [一次対応開始] → [カテゴリ確認] → <一次解決可能?>
    ├── はい → [FAQ/テンプレート検索] → [回答作成] → [顧客に回答]
    │          → <顧客満足?>
    │              ├── はい → [対応記録入力] → (終了: 解決)
    │              └── いいえ → [再問い合わせ受付] → <エスカレーション?>
    │                           ├── はい → [エスカレーション依頼]
    │                           └── いいえ → [再回答作成] → [顧客に回答]
    └── いいえ → [エスカレーション依頼]

[レーン: 二次対応]
  [二次対応受付] → [詳細調査] → <他部門確認必要?>
    ├── はい → [他部門問い合わせ]
    └── いいえ → [回答作成]
  → [顧客に回答] → [対応記録入力] → (終了: 解決)

[レーン: 他部門]
  [問い合わせ対応] → [調査結果回答]

Mission 2: ボトルネック分析

要件

イベントログとカテゴリ別データをもとに、以下を分析してください。

  1. 待ち時間分析: 各ステップ間の待ち時間を推定
  2. リワーク検出: 再問い合わせ・エスカレーションの発生パターン
  3. パレート分析: 改善効果の大きいボトルネックの特定
  4. 年間コスト影響: ボトルネックによるコスト損失を推定
解答例

待ち時間分析

ステップ遷移電話メールチャット
受付 → 一次対応開始3分4時間5分
一次対応 → エスカレーション即時30分10分
エスカレーション → 二次対応開始15分3時間1時間
二次対応 → 他部門回答-4時間-

ボトルネック

  1. メール初回応答待ち(4時間): メール対応の優先度が電話・チャットより低い
  2. エスカレーション後の待ち(3時間): 二次対応チーム12名に対してエスカレーション件数が多い
  3. 他部門回答待ち(4時間): 他部門にSLAがなく、回答が遅れがち
  4. 再問い合わせ(一次解決率55%): テンプレート回答が不十分で再問い合わせが発生

年間コスト影響

再問い合わせによる追加対応コスト:
  月間問い合わせ: 30,000件
  一次未解決率: 45% → 13,500件が追加対応必要
  追加対応1件あたりコスト: 平均2,000円
  月間追加コスト: 2,700万円
  年間追加コスト: 約3.2億円

顧客離反コスト(推定):
  不満足顧客率: 25%(V4+V5のバリアント)
  月間不満足顧客: 7,500人
  離反率: 推定10%
  顧客生涯価値: 5万円
  年間離反損失: 7,500 × 10% × 12ヶ月 × 5万円 = 約4.5億円

Mission 3: RACIマトリクスの作成

要件

問い合わせ対応プロセスのRACIマトリクスを作成し、課題を特定してください。

解答例
タスク一次対応二次対応チームリーダーマネージャー他部門
問い合わせ受付R-I--
カテゴリ判定R----
一次回答R----
エスカレーション判断R-C--
二次対応-RI--
他部門調査依頼-R--R
クレーム対応-RAIC
対応品質チェック--RA-
月次レポート--RAI

課題:

  • 一次対応者がカテゴリ判定からエスカレーション判断まで一人で担っており負荷が高い
  • チームリーダーがエスカレーション判断の「C(相談先)」だが、実際にはほぼ関与していない
  • 他部門のR(実行責任)にSLAがなく、回答タイミングが管理されていない

達成度チェック

観点達成基準
BPMNフローレーン分け、ゲートウェイ、正常系・異常系が含まれている
ボトルネック分析待ち時間、リワーク、パレート分析が数値とともに示されている
コスト影響ボトルネックの金額換算が妥当な根拠とともに算出されている
RACIマトリクス全タスクについて役割が明確で、課題が特定されている
実用性このドキュメントをもとにTo-Be設計が開始できるレベルになっている

推定所要時間: 60分