EXERCISE 90分

ストーリー

田中VPoE
「ここまでの5つのStepで、AI活用機会の発見に必要なすべてのスキルを学んだ。最後の総合演習だ。」
あなた
「AIレディネス評価、業務プロセス分析、AI適用判断、ユースケース設計、PoC計画…全部ですね。」
田中VPoE
「そうだ。経営会議に提出する『AI活用ロードマップ提案書』を完成させる。社長と各部門長が出席する場だ。この提案書が承認されれば、NetShop社のAI活用プロジェクトが正式にキックオフする。」

田中VPoEは真剣な表情で続けました。

田中VPoE
「技術者の自己満足であってはならない。経営視点で『投資する価値がある』と判断できる根拠を示し、現場目線で『これなら使える』と思える計画にしてくれ。読んだ社長が『これで進めよう』と意思決定できるレベルの提案書を作るんだ。」
あなた
「5つのStepで作った個別の成果物を統合し、一貫性と説得力のある提案書にまとめます。」

ミッション概要

項目内容
演習タイトルAI活用ロードマップ提案書
想定時間90分
成果物提案書(経営会議承認用)

提案書の構成

以下の6章構成に従って、AI活用ロードマップ提案書を作成してください。

第1章: エグゼクティブサマリー

経営層が最初に読むページです。提案全体の要旨を簡潔にまとめてください。

項目内容
背景なぜAI活用が必要か(2-3行)
提案何を提案するか(2-3行)
投資必要な投資額(初年度・年間の概算)
効果期待される定量的効果
タイムライン主要マイルストーン(3フェーズ)
解答例

背景: NetShop社は月間3万件のCS問い合わせ、月間500件の新商品登録、月間15,000件の出荷処理を人手で対応している。労働人口減少と競合のAI導入加速により、業務効率化は急務である。

提案: 全社横断の業務分析に基づき、効果の高い3つのユースケースから段階的にAIを導入する。Phase 1のクイックウィンでCS部のFAQ自動回答を実現し、Phase 2-3で全社展開する。

投資: 初年度3,000万円(3フェーズ合計)

効果:

  • Phase 1: CS部月間400時間の工数削減(年間2,520万円相当)
  • Phase 2-3: EC運営部・マーケ部の工数削減(年間1,500万円相当)
  • 3年間累計ROI: 約200%

タイムライン:

  • Phase 1(0-3ヶ月): FAQ自動回答チャットボットの本番稼働
  • Phase 2(4-9ヶ月): 商品説明文生成・不正注文検知の展開
  • Phase 3(10-12ヶ月): 全社AI活用の文化定着

第2章: 現状分析(Step 1-2の成果)

Step 1-2で学んだAIレディネス評価と業務プロセス分析の成果を統合してください。

  1. AIレディネス評価(4軸の現状スコアと課題)
  2. 部門別ペインポイントのサマリー
  3. 自動化ポテンシャルの上位5業務
解答例

AIレディネス評価:

スコア課題
組織3専任チーム未設置、ガイドラインなし
データ3EC・CSはクラウド蓄積済み、物流は一部紙管理
技術3GCP基盤あり、MLOps未構築
人材2ML経験者1名のみ、全社リテラシー低い
総合2.75Level 2: 着手可能

部門別ペインポイント上位:

部門ペインポイント月間影響時間
CS部定型質問の繰り返し対応2,000h
EC運営部商品登録の画像加工と説明文作成375h
EC運営部レビューの目視確認167h
物流部出荷検品の手作業750h
マーケ部レポート作成のデータ統合60h

自動化ポテンシャル上位5:

順位業務スコアAI適用レベル
1FAQ定型質問回答4.7完全自動化
2商品情報更新4.7完全自動化
3売上レポート生成4.4完全自動化
4レビュー不適切検出4.1半自動化
5出荷検品3.8完全自動化

第3章: ユースケースと優先順位(Step 3-4の成果)

Step 3-4で学んだAI適用判断と優先順位付けの成果を統合してください。

  1. AI活用候補一覧と評価(AI適用スコア、技術選定、リスク判定)
  2. 優先順位(RICEスコアとMoSCoW分類)
  3. 上位3件のユースケースキャンバス(簡略版)
解答例

候補一覧と評価:

候補4軸スコア技術リスク判定
FAQ自動回答5.00生成AI(RAG)Go
商品説明文生成3.75生成AIConditional Go
不正注文検知3.70ML(異常検知)Conditional Go
レビュー検出3.75生成AI + MLGo
需要予測3.80従来型MLConditional Go
出荷検品自動化3.60画像認識AINo Go(データ不足)

優先順位:

順位候補RICEMoSCoWフェーズ
1FAQ自動回答9,600MustPhase 1
2商品説明文生成400ShouldPhase 2
3不正注文検知3,000ShouldPhase 2

ユースケースキャンバス(FAQ自動回答 簡略版):

ビジネス価値技術実現性ユーザー影響
月840h削減、年2,520万円RAG、データ準備済み、3人月CS部50名+顧客100万人/月
ROI 68%リスク: ハルシネーション受容性: 高(現場要望あり)

第4章: ロードマップ(Step 4の成果)

3フェーズのロードマップを統合して記載してください。

  1. 3フェーズのタイムラインとマイルストーン
  2. 予算配分
  3. 推進体制
解答例

タイムライン:

フェーズ期間ユースケースマイルストーン
Phase 10-3ヶ月FAQ自動回答PoC完了→本番稼働
Phase 24-9ヶ月商品説明文生成、不正注文検知2件の本番稼働
Phase 310-12ヶ月需要予測、レビュー検出全社AI文化定着

予算配分:

フェーズ予算主な内訳
Phase 1800万円開発500 + データ整備200 + インフラ100
Phase 21,200万円開発700 + データ200 + インフラ150 + 人材育成150
Phase 31,000万円開発500 + 基盤150 + 外部150 + 研修100 + データ100
年間合計3,000万円

推進体制:

社長(スポンサー)
  └── 田中VPoE(プロジェクトオーナー)
       └── AI推進チーム
            ├── リーダー 1名(既存メンバー)
            ├── AIエンジニア 1名(新規採用)
            ├── データエンジニア 1名(新規採用)
            └── 各部門AIチャンピオン(Phase 3〜)

第5章: PoC計画(Step 5の成果)

Phase 1のFAQ自動回答PoCの詳細計画を記載してください。

  1. PoC目的と成功基準
  2. 12週間のスケジュール
  3. Go/No-Go判断基準
解答例

PoC目的: RAGベースのAIチャットボットが定型質問に85%以上の正答率で自動回答し、CS部の月間工数400時間以上の削減が見込めることを実証する。

成功基準:

指標MustWant
正答率80%以上90%以上
自動回答率30%以上50%以上
応答時間10秒以内5秒以内

スケジュール:

  • W1-2: データ準備
  • W3-4: プロトタイプ開発
  • W5-6: 内部テスト・改善
  • W7-8: パイロット運用
  • W9-10: 評価
  • W11-12: Go/No-Go判断

Go/No-Go基準:

  • Go: Must基準すべて達成
  • Conditional Go: Must達成、Want一部未達(改善計画付き)
  • No Go: Must未達(原因分析→計画見直し)

第6章: リスクと対策

主要リスクと対策をまとめてください。

  1. 技術・業務・倫理・法規制の各カテゴリのリスク
  2. 影響度と対策
解答例
カテゴリリスク影響度対策
技術ハルシネーションによる誤回答RAG+人間レビュー体制、信頼度スコア設定
技術API障害によるサービス停止フォールバック(有人対応切り替え)設計
業務現場の抵抗・不使用早期参画、AI体験会、段階的導入
業務AI人材の不足2名の採用+外部パートナー活用
倫理AIによる不公平な対応回答品質の定期監査
法規制個人情報のAI処理個人情報マスキング、ガイドライン策定
法規制景品表示法(商品説明文)人間レビュー必須化、虚偽表現チェック

達成度チェック

観点達成基準
一貫性6章すべてが相互に整合し、ストーリーとして繋がっている
具体性定量的な数値目標、予算、期限が含まれている
実現可能性予算3,000万円・人員制約内で実現可能な計画になっている
説得力社長が「これで進めよう」と判断できるレベルの根拠がある
網羅性現状分析、ユースケース、ロードマップ、PoC、リスクがカバーされている
リスク対応主要リスクが特定され、具体的な対策が示されている
段階性3フェーズで段階的に展開する計画になっている

推定所要時間: 90分