ストーリー
田
田中VPoE
「PoCが完了したら、最も重要な判断が待っている。本番に進むか、見送るか。これがGo/No-Go判断だ。」
あなた
「成功基準を満たしたかどうかで判断するんですよね。」
あ
田
田中VPoE
「基本はそうだ。しかし、数字だけでは判断できないケースもある。定量評価と定性評価の両面で判断し、経営会議で合意を得るプロセスが重要だ。」
Go/No-Go判断フレームワーク
判断の3段階
| 判断 | 基準 | アクション |
|---|
| Go | 成功基準をMust項目すべて達成 | 本番移行計画を開始 |
| Conditional Go | Must項目は達成だがWant項目に未達 | 追加改善を条件に本番移行 |
| No Go | Must項目が未達 | 原因分析後、計画見直しまたは中止 |
定量評価
PoC結果との照合
| 指標 | Must基準 | Want基準 | PoC結果(例) | 判定 |
|---|
| 正答率 | 80%以上 | 90%以上 | 87% | Must ○ / Want △ |
| 自動回答率 | 30%以上 | 50%以上 | 42% | Must ○ / Want △ |
| 応答時間 | 10秒以内 | 5秒以内 | 3秒 | Must ○ / Want ○ |
| 顧客満足度 | 現状維持 | 5%向上 | +2% | Must ○ / Want △ |
判定ロジック
Must項目がすべて○ → Goの候補
├── Want項目もすべて○ → Go(即座に本番移行)
└── Want項目に△あり → Conditional Go(改善計画付きで本番移行)
Must項目に×あり → No Go
├── 原因が対処可能 → 追加PoC or 計画見直し
└── 原因が根本的 → 中止
定性評価
数字に表れない重要な観点も評価する。
| 観点 | 評価ポイント | 判断への影響 |
|---|
| ユーザーの反応 | テストユーザーの使用感、満足度 | 数字が良くてもユーザーが使わなければ意味がない |
| 運用の現実性 | 運用チームの負荷は許容範囲か | 運用が回らないと本番で失敗する |
| データの持続性 | データの継続的な供給が可能か | 一時的なデータでは長期運用できない |
| 組織の変化 | PoC中に組織体制や優先度が変化していないか | 環境変化により前提が崩れる場合がある |
| 学んだこと | PoCで予想外に発見されたリスクや機会 | 新たな情報を判断に反映する |
Go/No-Go判断会議の設計
参加者
| 役割 | 担当者 | 責任 |
|---|
| 意思決定者 | 社長 or VPoE | 最終判断の承認 |
| プロジェクトオーナー | 田中VPoE | PoCの結果報告と推奨の提示 |
| 業務責任者 | CS部長 | 業務観点からの評価 |
| 技術責任者 | システム部リーダー | 技術観点からの評価 |
| 財務責任者 | 経理部長 | 予算観点からの評価 |
アジェンダ
| 項目 | 時間 | 内容 |
|---|
| PoC結果報告 | 15分 | 定量評価の結果、デモ |
| 定性評価共有 | 10分 | ユーザーの声、運用の課題 |
| リスク評価 | 10分 | 顕在化したリスクと対策 |
| 本番移行計画 | 10分 | 移行スケジュール、予算、体制 |
| 判断と合意 | 15分 | Go/Conditional Go/No Goの決定 |
No Goの場合の対応
No Goとなった場合も、PoCの成果は無駄にしない。
| 対応 | 内容 |
|---|
| 原因の分析 | なぜ成功基準を満たせなかったかを詳細に分析 |
| 学びの記録 | PoCで得られた知見を文書化して組織に共有 |
| 計画の見直し | データ整備や技術選定を見直して再挑戦するか判断 |
| 他の候補への転用 | PoCで構築した基盤を他のユースケースに活用 |
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|
| 3段階判断 | Go、Conditional Go、No Goの明確な基準 |
| 定量評価 | Must/Want基準とPoC結果の照合 |
| 定性評価 | ユーザーの反応、運用の現実性、学んだこと |
| 判断会議 | 意思決定者を含む会議で合意形成 |
| No Go対応 | 失敗からも学び、次に活かす |
チェックリスト
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次は演習として、NetShop社のFAQ自動回答PoCの計画書を実際に作成してみよう。
推定読了時間: 15分