LESSON 15分

ストーリー

田中VPoE
「PoCが完了したら、最も重要な判断が待っている。本番に進むか、見送るか。これがGo/No-Go判断だ。」
あなた
「成功基準を満たしたかどうかで判断するんですよね。」
田中VPoE
「基本はそうだ。しかし、数字だけでは判断できないケースもある。定量評価と定性評価の両面で判断し、経営会議で合意を得るプロセスが重要だ。」

Go/No-Go判断フレームワーク

判断の3段階

判断基準アクション
Go成功基準をMust項目すべて達成本番移行計画を開始
Conditional GoMust項目は達成だがWant項目に未達追加改善を条件に本番移行
No GoMust項目が未達原因分析後、計画見直しまたは中止

定量評価

PoC結果との照合

指標Must基準Want基準PoC結果(例)判定
正答率80%以上90%以上87%Must ○ / Want △
自動回答率30%以上50%以上42%Must ○ / Want △
応答時間10秒以内5秒以内3秒Must ○ / Want ○
顧客満足度現状維持5%向上+2%Must ○ / Want △

判定ロジック

Must項目がすべて○ → Goの候補
  ├── Want項目もすべて○ → Go(即座に本番移行)
  └── Want項目に△あり → Conditional Go(改善計画付きで本番移行)

Must項目に×あり → No Go
  ├── 原因が対処可能 → 追加PoC or 計画見直し
  └── 原因が根本的 → 中止

定性評価

数字に表れない重要な観点も評価する。

観点評価ポイント判断への影響
ユーザーの反応テストユーザーの使用感、満足度数字が良くてもユーザーが使わなければ意味がない
運用の現実性運用チームの負荷は許容範囲か運用が回らないと本番で失敗する
データの持続性データの継続的な供給が可能か一時的なデータでは長期運用できない
組織の変化PoC中に組織体制や優先度が変化していないか環境変化により前提が崩れる場合がある
学んだことPoCで予想外に発見されたリスクや機会新たな情報を判断に反映する

Go/No-Go判断会議の設計

参加者

役割担当者責任
意思決定者社長 or VPoE最終判断の承認
プロジェクトオーナー田中VPoEPoCの結果報告と推奨の提示
業務責任者CS部長業務観点からの評価
技術責任者システム部リーダー技術観点からの評価
財務責任者経理部長予算観点からの評価

アジェンダ

項目時間内容
PoC結果報告15分定量評価の結果、デモ
定性評価共有10分ユーザーの声、運用の課題
リスク評価10分顕在化したリスクと対策
本番移行計画10分移行スケジュール、予算、体制
判断と合意15分Go/Conditional Go/No Goの決定

No Goの場合の対応

No Goとなった場合も、PoCの成果は無駄にしない。

対応内容
原因の分析なぜ成功基準を満たせなかったかを詳細に分析
学びの記録PoCで得られた知見を文書化して組織に共有
計画の見直しデータ整備や技術選定を見直して再挑戦するか判断
他の候補への転用PoCで構築した基盤を他のユースケースに活用

まとめ

項目ポイント
3段階判断Go、Conditional Go、No Goの明確な基準
定量評価Must/Want基準とPoC結果の照合
定性評価ユーザーの反応、運用の現実性、学んだこと
判断会議意思決定者を含む会議で合意形成
No Go対応失敗からも学び、次に活かす

チェックリスト

  • Go/No-Go判断の3段階を説明できる
  • 定量評価と定性評価の両面の重要性を理解した
  • 判断会議の設計ができる
  • No Goの場合の対応を把握した

次のステップへ

次は演習として、NetShop社のFAQ自動回答PoCの計画書を実際に作成してみよう。


推定読了時間: 15分