LESSON 30分

ストーリー

田中VPoE
「データの評価ができたら、次は技術の選択だ。『AI』と一口に言っても、生成AI、従来型ML、RPA、ルールベースとさまざまな選択肢がある。」
あなた
「それぞれの得意分野が違うんですね。」
田中VPoE
「その通り。業務の特性に合った技術を選ばないと、コストばかりかかって効果が出ない。適材適所の技術選択を学ぼう。」
あなた
「NetShop社の各業務に最適な技術を選べるようになりたいです。」
田中VPoE
「技術の特徴を理解すれば、正しい判断ができる。一つずつ見ていこう。」

4つの技術カテゴリ

比較一覧

項目生成AI(LLM)従来型MLRPAルールベース
得意なことテキスト生成・理解、柔軟な対応パターン認識・予測・分類定型的なUI操作の自動化明確なルールに基づく処理
苦手なこと数値計算、100%の正確性自然言語の柔軟な理解非定型な操作曖昧なケースの判断
必要データ少量(プロンプト設計)〜中量(RAG)大量の教師データ不要不要
導入コスト中(API利用料)高(モデル開発)低〜中
運用コストAPI利用量に比例モデル再学習コストライセンス費用保守コスト
導入スピード速い(数週間)遅い(数ヶ月)中程度速い

生成AI(LLM)の適用領域

適している業務

業務タイプ具体例理由
テキスト生成商品説明文、メール文面、レポート自然な文章を高速に生成
テキスト理解・分類問い合わせ分類、感情分析、要約文脈を理解した判断が可能
対話チャットボット、FAQ応答自然な会話が可能
情報検索(RAG)ナレッジベース検索、社内FAQ文書を理解した上で回答
コード生成プログラム作成、SQL生成指示からコードを生成

注意点

リスク説明対策
ハルシネーション事実と異なる情報を生成するRAGで根拠データを提供、人間のレビュー
API依存外部APIに依存するため停止リスクフォールバック設計、複数プロバイダ
コスト増加利用量に応じてコストが増加キャッシュ、モデル選択の最適化
個人情報漏洩外部APIにデータを送信DLP対策、プライベートデプロイ

従来型ML(機械学習)の適用領域

適している業務

業務タイプ具体例理由
予測需要予測、売上予測、解約予測過去データからパターンを学習
分類不正検知、画像分類、スパム判定大量データからの分類精度が高い
異常検知不正注文検知、設備異常検知正常パターンからの逸脱を検出
レコメンド商品推薦、コンテンツ推薦行動履歴からの嗜好学習
最適化価格最適化、配送ルート最適化複数変数の最適組み合わせ

注意点

リスク説明対策
データ依存学習データの偏りが結果に影響データの多様性確保、バイアス評価
モデル劣化時間経過で精度が低下定期的な再学習、モニタリング
開発期間モデル開発に数ヶ月かかるMVP(最小モデル)から段階的に
説明可能性ブラックボックスになりがち説明可能なモデルの選択

RPA(Robotic Process Automation)の適用領域

適している業務

業務タイプ具体例理由
データ転記システム間のコピー&ペーストUI操作の忠実な再現
帳票処理請求書データの入力定型フォーマットの処理
レポート配信定期レポートのダウンロードと配信スケジュール実行が容易
ファイル操作ファイルの移動、リネーム、変換単純な操作の自動化

注意点

リスク説明対策
UI変更への脆弱性画面変更でロボットが停止API連携への移行検討
スケールの難しさ業務変更のたびに修正が必要変更管理プロセスの整備
限定的な判断力例外的なケースに対応できないAI連携(Intelligent Automation)

ルールベースの適用領域

適している業務

業務タイプ具体例理由
条件分岐注文金額による承認ルート振り分けIF-THENで表現可能
バリデーション入力データの整合性チェック明確な基準で判定可能
通知ステータス変更時の自動通知トリガー条件が明確
計算割引率の自動計算計算式が定義済み

NetShop社への技術フィット評価

業務最適技術理由代替技術
FAQ自動回答生成AI(RAG)多様な質問に柔軟に対応ルールベース(初期版)
商品説明文作成生成AI自然な文章の生成が得意-
需要予測従来型ML過去データからのパターン学習統計的手法(初期版)
不正注文検知従来型ML異常パターンの学習ルールベース(初期版)
商品情報更新RPAシステム間のデータ転記API連携
注文ステータス通知ルールベーストリガー条件が明確-
レビュー検出生成AI + MLテキスト理解+分類キーワードフィルタ
出荷検品画像認識AI画像による判定バーコード検品(既存)

ハイブリッドアプローチ

実際のプロジェクトでは、単一技術ではなく複数技術を組み合わせるケースが多い。

ハイブリッド例: CS問い合わせ対応
├── ルールベース: 問い合わせの初期分類
├── 生成AI(RAG): FAQ回答の自動生成
├── 従来型ML: 問い合わせの感情分析
└── RPA: 対応結果のシステム登録

まとめ

項目ポイント
4つの技術生成AI、従来型ML、RPA、ルールベースの使い分け
選択基準業務の特性(テキスト/数値/UI操作/条件分岐)で判断
段階的導入簡単な技術から始めて段階的に高度化
ハイブリッド複数技術の組み合わせが現実的な解
技術ロックイン回避特定技術に依存しない設計が重要

チェックリスト

  • 4つの技術カテゴリの特徴を説明できる
  • 業務特性に応じた技術選択ができる
  • 各技術のリスクと対策を理解した
  • ハイブリッドアプローチの考え方を把握した

次のステップへ

次は「リスクアセスメント」として、AI導入に伴う技術リスク、業務リスク、倫理リスク、法規制リスクを評価する方法を学ぼう。


推定読了時間: 30分