ストーリー
田
田中VPoE
「プロセスマッピング、業務量分析、ペインポイント特定、自動化ポテンシャル評価を学んだ。ここからは実践だ。NetShop社のEC運営部と物流部を対象に業務プロセスを分析してもらう。」
あなた
「CS部の例は先ほど学びましたね。今度はEC運営部と物流部ですか。」
あ
田
田中VPoE
「そうだ。EC運営部は商品登録から販売管理まで幅広い業務がある。物流部は倉庫管理から配送までのオペレーションだ。この2部門の業務をSIPOCとVSMで可視化し、ペインポイントを特定し、自動化ポテンシャルを評価してくれ。」
あなた
「わかりました。Step 2で学んだ手法をフルに活用します。」
あ
ミッション概要
| 項目 | 内容 |
|---|
| 演習タイトル | NetShop社の業務プロセス分析 |
| 想定時間 | 90分 |
| 成果物 | 業務プロセス分析レポート(SIPOC + VSM + ペインポイント + 自動化ポテンシャル) |
| 対象部門 | EC運営部(80名)、物流部(60名) |
前提条件
EC運営部の業務情報
EC運営部(80名)
├── 商品チーム(30名): 商品登録、商品情報管理、撮影、説明文作成
├── サイト運営チーム(20名): サイト更新、バナー作成、特集ページ
├── 受注チーム(20名): 注文確認、決済処理、出荷指示
└── 分析チーム(10名): 売上分析、アクセス解析、レポート作成
| 業務 | 月間件数 | 1件あたり時間 | 担当者の声 |
|---|
| 新商品登録 | 500件 | 45分 | 「画像加工と説明文作成に時間がかかる」 |
| 商品情報更新 | 2,000件 | 15分 | 「価格変更や在庫ステータスの更新が手作業」 |
| バナー作成 | 100件 | 2時間 | 「毎回デザインを一から作っている」 |
| 注文確認・出荷指示 | 15,000件 | 5分 | 「異常注文のチェックが大変」 |
| 売上レポート作成 | 30件 | 3時間 | 「複数のデータソースを手動で統合」 |
| レビュー確認 | 5,000件 | 2分 | 「不適切レビューの目視チェックがつらい」 |
| カテゴリ整理 | 月1回 | 40時間 | 「10万SKUのカテゴリ再分類は気が遠くなる」 |
物流部の業務情報
物流部(60名)
├── 入荷チーム(15名): 入荷検品、棚入れ、在庫登録
├── 出荷チーム(25名): ピッキング、梱包、出荷検品、出荷処理
├── 在庫管理チーム(10名): 棚卸し、在庫調整、発注管理
└── 配送管理チーム(10名): 配送手配、追跡管理、配送トラブル対応
| 業務 | 月間件数 | 1件あたり時間 | 担当者の声 |
|---|
| 入荷検品 | 3,000件 | 10分 | 「数量と品質チェックを目視でやっている」 |
| ピッキング | 15,000件 | 8分 | 「倉庫内の移動が非効率」 |
| 梱包 | 15,000件 | 5分 | 「商品サイズに合った箱の選択に迷う」 |
| 出荷検品 | 15,000件 | 3分 | 「誤出荷がゼロにならない」 |
| 棚卸し | 月1回 | 320時間 | 「10万SKUの全数チェックに2日かかる」 |
| 在庫発注 | 1,000件 | 20分 | 「適正在庫量の判断が難しい」 |
| 配送トラブル対応 | 300件 | 30分 | 「原因調査に時間がかかる」 |
Mission 1: SIPOCで業務の全体像を整理する
要件
EC運営部と物流部、それぞれの主要プロセスについてSIPOCを作成してください。
- EC運営部の「新商品登録プロセス」のSIPOC
- 物流部の「出荷プロセス」のSIPOC
- 2つのプロセスの連携ポイントの特定
解答例
EC運営部: 新商品登録プロセスのSIPOC
| S(供給者) | I(入力) | P(プロセス) | O(出力) | C(顧客) |
|---|
| 仕入先 | 商品サンプル、商品情報シート | 1. 商品情報受領 → 2. 商品撮影 → 3. 画像加工 → 4. 説明文作成 → 5. カテゴリ設定 → 6. 価格設定 → 7. ECサイト登録 → 8. 公開確認 | 商品ページ | ECサイト利用者 |
| マーケ部 | キャンペーン情報、SEOキーワード | | 在庫連携データ | 物流部 |
| 分析チーム | 競合価格データ | | 検索インデックス | システム部 |
物流部: 出荷プロセスのSIPOC
| S(供給者) | I(入力) | P(プロセス) | O(出力) | C(顧客) |
|---|
| 受注チーム | 出荷指示データ | 1. 出荷指示受付 → 2. ピッキングリスト生成 → 3. ピッキング → 4. 梱包 → 5. 出荷検品 → 6. 配送ラベル発行 → 7. 出荷処理 | 出荷済み商品 | 顧客 |
| 在庫管理 | 在庫位置情報 | | 在庫更新データ | 在庫管理チーム |
| 配送業者 | 集荷スケジュール | | 追跡番号 | CS部 |
連携ポイント
| 連携ポイント | EC運営部側 | 物流部側 | 課題 |
|---|
| 出荷指示 | 受注チームが出荷指示を送信 | 出荷チームが出荷指示を受領 | 指示データの形式不一致がある |
| 在庫連携 | 商品登録時に初期在庫を設定 | WMSの在庫データと同期 | リアルタイム同期できていない |
| 商品マスタ | 商品情報を管理 | 商品サイズ・重量情報を利用 | サイズ情報の入力漏れが多い |
Mission 2: VSMでムダを発見する
要件
EC運営部の「新商品登録プロセス」をVSMで分析し、付加価値活動と非付加価値活動を区別してください。
- 各工程の所要時間と付加価値/非付加価値の判定
- 付加価値比率の算出
- 最大のムダの特定と改善案
解答例
新商品登録プロセスのVSM
| 工程 | 所要時間 | 待ち時間 | 付加価値 | 判定理由 |
|---|
| 商品情報受領 | 5分 | 0分 | 非付加価値 | 情報の転記作業 |
| 仕入先からの追加情報待ち | 0分 | 120分 | 非付加価値 | 純粋な待ち時間 |
| 商品撮影 | 15分 | 0分 | 付加価値 | 商品の価値を伝える画像作成 |
| 画像加工 | 10分 | 0分 | 付加価値 | 見栄えの向上 |
| 説明文作成 | 15分 | 0分 | 付加価値 | 商品の価値を伝えるテキスト |
| レビュー待ち | 0分 | 60分 | 非付加価値 | 上長承認の待ち時間 |
| カテゴリ設定 | 5分 | 0分 | 非付加価値 | 手動分類作業 |
| 価格設定 | 5分 | 0分 | 付加価値 | 適正価格の決定 |
| ECサイト登録 | 5分 | 0分 | 非付加価値 | システムへのデータ入力 |
| 公開確認 | 5分 | 0分 | 付加価値 | 品質確認 |
サマリー
付加価値時間: 50分(撮影15 + 画像加工10 + 説明文15 + 価格5 + 確認5)
非付加価値時間: 200分(受領5 + 待ち120 + 待ち60 + カテゴリ5 + 登録5 + その他5)
リードタイム合計: 250分(約4時間10分)
付加価値比率: 50 / 250 = 20%
最大のムダと改善案
| ムダ | 時間 | AI適用による改善案 |
|---|
| 追加情報待ち(120分) | 48% | AIが商品情報シートの不備を即座に検出し、必要情報を事前に特定 |
| レビュー待ち(60分) | 24% | AIが登録内容を自動チェックし、基準を満たせば自動承認 |
| カテゴリ設定(手動5分) | 2% | 画像・テキスト分析AIで自動分類 |
| 説明文作成(15分) | 6% | 生成AIでドラフト作成、人間が編集 |
Mission 3: 自動化ポテンシャル評価
要件
EC運営部と物流部の全業務について、自動化ポテンシャル評価を行ってください。
- 各業務の定型度・判断複雑度・データ準備度のスコアリング(1-5)
- 自動化ポテンシャルスコアの算出
- 上位5業務の特定とAI適用レベルの判定
- 部門別の自動化ポテンシャルマップ
解答例
EC運営部
| 業務 | 定型度 | 判断複雑度 | データ準備度 | スコア | 適用レベル |
|---|
| 商品情報更新 | 5 | 1 | 5 | 4.7 | 完全自動化 |
| レビュー確認 | 4 | 2 | 5 | 4.1 | 半自動化 |
| 注文確認・出荷指示 | 5 | 2 | 5 | 4.4 | 半自動化 |
| 売上レポート作成 | 5 | 1 | 4 | 4.4 | 完全自動化 |
| 新商品登録(説明文) | 3 | 3 | 4 | 3.0 | 半自動化 |
| バナー作成 | 2 | 3 | 3 | 2.3 | AI支援 |
| カテゴリ整理 | 4 | 3 | 4 | 3.2 | 半自動化 |
物流部
| 業務 | 定型度 | 判断複雑度 | データ準備度 | スコア | 適用レベル |
|---|
| 出荷検品 | 5 | 1 | 3 | 3.8 | 完全自動化 |
| 入荷検品 | 5 | 1 | 3 | 3.8 | 完全自動化 |
| ピッキングルート最適化 | 4 | 2 | 3 | 3.2 | AI支援 |
| 在庫発注 | 3 | 4 | 3 | 1.8 | AI支援 |
| 梱包サイズ選定 | 4 | 2 | 4 | 3.5 | 半自動化 |
| 棚卸し | 4 | 1 | 2 | 3.4 | 半自動化 |
| 配送トラブル対応 | 2 | 4 | 3 | 1.7 | 人間主導 |
上位5業務
| 順位 | 業務 | 部門 | スコア | 月間削減時間(見込み) |
|---|
| 1 | 商品情報更新 | EC | 4.7 | 400h(2,000件×12分×80%削減) |
| 2 | 注文確認・出荷指示 | EC | 4.4 | 750h(15,000件×3分×60%削減) |
| 3 | 売上レポート作成 | EC | 4.4 | 72h(30件×2.4時間×100%削減) |
| 4 | レビュー確認 | EC | 4.1 | 133h(5,000件×1.6分×80%削減) |
| 5 | 出荷検品 | 物流 | 3.8 | 525h(15,000件×2.1分×70%削減) |
達成度チェック
| 観点 | 達成基準 |
|---|
| SIPOC | 5要素が適切に記載され、部門間の連携ポイントが特定されている |
| VSM | 付加価値/非付加価値の判定が妥当で、付加価値比率が算出されている |
| ムダの発見 | 最大のムダが特定され、AI適用による改善案が具体的 |
| 自動化ポテンシャル | 3軸のスコアリングが妥当で、スコア算出が正確 |
| 上位業務の特定 | 上位5業務が根拠とともに選定されている |
| 実現可能性 | AI適用レベルの判定が現実的 |
推定所要時間: 90分